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張揖は字を稚譲といい、魏の太和年間に博士であった[1]。著書にはほかに『埤蒼』、『古今字詁』などがあったことが知られるが[2]、いずれも現存しない。
『広雅』は張揖が博士であったときに作られた。張揖の上表文によれば、『爾雅』に集められた訓詁が充分でないので、それを増補したものが『広雅』である。
『広雅』は19篇から構成される。篇名とその順序は『爾雅』とまったく同じである。
各篇の中の項目の配列も『爾雅』に従っていることが多い。たとえば冒頭は『爾雅』では
となっているが、『広雅』では
となっている。「始」の意をもつ語を並べている点では同じだが、挙げられている語は異なる。
隋の時代に曹憲によって『博雅音』が書かれた。
王念孫『広雅疏証』(1796年刊、最終巻は王引之によって書かれる)は、単なる『広雅』の校勘・注釈を越えた訓詁学の大作である。その特徴は、当時大きく発展した上古音の知識を背景に、音声によって広範な同源語を認めた点にある。
1978年に香港中文大学出版社から『広雅疏証』の標点本と索引が出版されている。
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