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富盛のシーサー(ともりのシーサー)は沖縄県島尻郡八重瀬町富盛(勢理城)にある石獅子(シーサー)。記録のある中で沖縄県内で最も古いものである。「富盛の石彫大獅子」、または所在地から「勢理城の石彫大獅子」ともいう。
八重瀬町字富盛の西の勢理城上方にある。『球陽』の記録に尚貞21年(1689年)に設置されたとある。製作者不明。
高さ142.2cm、全長175.8cm。沖縄県村獅子として最古最大の石獅子である。沖縄県指定有形民俗文化財に指定されている。
製作年頃に富盛地区で火災が多かったので風水師(久米村の蔡応端(太田親雲上))に相談した(占ってもらった)ところ、「火山(ヒーザン)」といわれる八重瀬岳に向かってシーサーを作るとよいと助言され火除け(火返し)の目的で作られた。
富盛出身の郷土史家、源武雄(当時、県教育庁文化財保護委員会会長)の申請によって、1974年(昭和49年)12月2日に指定された。
地域住民にとっては地域の守り神のような存在である。旧暦10月1日のカママーイ(竈のお願い・防火儀礼)の行事ではノロを先頭に役目が大獅子像を拝む。戦前までは、役目は約180cmの竹を束ねて巡り「サリーサリーユーカンヒーマーチウミチミラショーリ」と呼び掛け、台所の整理の行き届かぬ家庭の主婦は竹で尻を叩かれる。旧暦9月9日のタントゥイ棒のときに、地域の青年達が勢理城に集まり棒踊りを奉納していた。
1945年(昭和20年)の6月ごろ、日本軍は富盛の八重瀬岳付近に陣地を構え、周辺は激しい地上戦の最前線となり、米軍に弾除けなどとして使用され、現在もその時の弾痕を残している。
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