妖精の歌
ドイツ語の詩 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
この項目では、ゲーテおよびメーリケの詩について説明しています。その他の用法については「妖精の詩 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
『妖精の歌』(ようせいのうた、ドイツ語: Elfenlied ドイツ語発音: [ˈɛlfənˌliːt] エルフェンリート)は、ゲーテの1780年の詩と、エドゥアルト・メーリケの1830年頃の詩の慣用的な題名。これらの詩は、それぞれにさまざまな作品が作曲されている。
ゲーテの詩は1780年に、シャルロッテ・フォン・シュタイン宛ての手紙に書かれた無題の詩だったが、冒頭には「Die Elfen sangen(妖精たちが歌った)」と綴られていた[1]。ゲーテの詩はロマン主義的で、月夜に踊る妖精たちの姿を想起させる。この詩をもとに、ジュリウス・クニーゼの「Elfenliedchen(1900年)」やエーリッヒ・J・ウォルフの「Elfensang(1907年)」、アレクサンダー・ツェムリンスキーの「Elfenlied(1934年)」など、複数の曲が作曲されている[2]。
メーリケの詩は、1826年から1828年初頭の間に書かれ、1832年に初めて出版された[3]。その詩はドイツ語で「エルフ」もしくは「妖精」と数字の「11」の両方の意味に取れる「Elf(またはElfe)」をかけた駄洒落に基づいたユーモラスなものである[4]。その内容は、夜番が11時を告げる声を、自分への呼びかけと妖精が勘違いしたため、本来より1時間早く目覚めたというものである。まだ寝ぼけている妖精は、石の壁に止まっているツチボタルを、明かりの灯った妖精たちの屋敷だと思い込み、中を覗こうとして石に頭をぶつけてしまう。この詩にはフーゴ・ヴォルフによって1888年に曲が付けられた。