国王裁可
立法府の提出する議案を裁決し、正式に許可する事 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
国王裁可(こくおうさいか、英語: Royal assent)、または女王裁可(じょうおうさいか)とは、君主が直接、あるいは君主を代理したる者を通じて、立法府の提出する議案を裁決し、正式に許可する事である。なお、総督が君主の代理として承認する際は総督承認(そうとくしょうにん)と呼ばれる。現代における立憲君主制の下では、君主による裁可は形式的なものに過ぎないと考えられている。イギリス、ノルウェー、オランダ、リヒテンシュタイン、モナコなど、法上、君主が法律の可決に対する許可を留保する拒否権を認めている国では、かつては頻繁に行使されていたが、18世紀以降、そのような事態は切迫した国家非常事態や政府の助言がある場合を除き、非常に稀である。
国王裁可は一般的に形式的な式典によって行われる。カナダでは、カナダ総督が上院での式典で直接裁可するか、またはカナダ議会に法案への裁可を通知する書面による宣言によって裁可することができる。オーストラリアでは、オーストラリア総督がイギリス君主の代理としてオーストラリア下院を解散する権利(解散権)と法案に署名する権利(裁可権)を持っている[1]。