古フランス語
印欧語族のロマンス諸語に属するフランス語の祖語およびガロ・ロマンス語の諸方言 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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古フランス語(こフランスご、英: Old French、略: OF)は、8世紀から[1]14世紀にかけて、現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。
西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリア[注釈 1]の俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際には現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。
14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになった。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言[注釈 2]に基づいて中期フランス語[注釈 3]が生じた。その他の諸方言は、それぞれ独自の変化を遂げていった。
古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した[2] [注釈 4]。