ロバート・ノージック(Robert Nozick、1938年11月16日 - 2002年1月23日)は、アメリカ合衆国の哲学者。ハーバード大学哲学教授。コロンビア大学で哲学者シドニー・モーゲンベッサーに師事し学士号(1959年)を取得し、その後プリンストン大学大学院では科学哲学分野において著名な哲学者であるカール・ヘンペルに師事して博士号(1963年)を得た。また1963年から1964年までフルブライト留学生としてオックスフォード大学にも一年間留学している。
概要
政治哲学の分野における著書『アナーキー・国家・ユートピア』をもってリバタリアニズムの代表的思想家として知られる。
また「なぜ何もないのではなく、ものがあるのか?」と題した論文などによって分析的形而上学の開拓者の一人としても有名であり、分析哲学における形而上学の復権に貢献している。それらの論文は哲学論集『Philosophical Explanations』(邦題:『考えることを考える』)に収録されている。
人物
ノージックはロシア系ユダヤ人移民の子供として、アメリカニューヨークのブルックリンで生まれた。父親はロシアのシュテットルからやってきた実業家で、Cohen という名前だった。ノージックは最初はアメリカ社会党の活動家であり[1]、後にリバタリアニズムに転向した。女性詩人Gjertrud Schnackenberg と結婚した。ノージックが胃癌との長い闘病生活の末死亡するまで、二人はずっと夫婦であった。死後ノージックはマサチューセッツ州ケンブリッジにあるMount Auburn 墓地に埋葬された。なお、同じ日にフランスの社会学者ピエール・ブルデューも死亡している。
賞歴
- 1975年、全米図書賞哲学・宗教部門(『アナーキー・国家・ユートピア』に対して)
- 1996年、グッゲンハイム奨励金人文学部門(アメリカ&カナダ)
著書
- Anarchy, State, and Utopia, (Blackwell, 1974). ISBN 978-0465097203
- 嶋津格訳『アナーキー・国家・ユートピア――国家の正当性とその限界』(木鐸社,1985年二巻本・1995年一巻本)ISBN 4833221705
- Philosophical Explanations, (Harvard University Press, 1981). ISBN 978-0674664791
- 坂本百大ほか訳『考えることを考える(上・下)』(青土社, 1997年) ISBN 978-4791756032 ISBN 978-4791756049
- The Examined Life: Philosophical Meditations, (Simon and Schuster, 1989). ISBN 978-0671725013
- 井上章子訳『生のなかの螺旋――自己と人生のダイアローグ』(青土社, 1993年) ISBN 978-4791752614
- The Nature of Rationality, (Princeton University Press, 1993). ISBN 978-0691020969
- Socratic Puzzles, (Harvard University Press, 1997). ISBN 978-0674816534
- Invariances: The Structure of the Objective World (Belknap Press of Harvard University Press, 2001/2003) ISBN 0-674-01245-3
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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