惑星時間を支配する精霊、黄道十二宮360度の角度一つ一つに宿る精霊や十二宮の中の惑星など、星に関する魔術についての書。ゴエティアが悪しき精霊を、テウルギア・ゴエティアが善悪双方の精霊を取り扱っているのに対し、こちらは善なる精霊のみを取り扱っている。そのため『ソロモン王のテウルギアの書 第一章』とも呼ばれる。なお Ars Paulina とは「聖パウロの術」の意味で、一説にはこれがパウロによって発見されたともいう。
ソロモン王が神殿の祭壇で行っていた祈りの書とされ、魔術一般と聖なる知識について記されている。大天使ミカエルが、稲妻とともにソロモン王に授けたという。また、ソロモン王はこれと同時に多くの神からの手記を受け取っており、これによって名高い智恵を得たという。Ars Nova とは「新しき術」の意。また「名高き術」(Ars Notoria)、「書記術」(Ars Notaria)とも言う。
Henry Cornelius Agrippa of Nettesheim(1993).Three Books of Occult Philosophy.translated by James Freaks, edited by Donald Tyson.Woodbury, MN:Llewellyn Publications.pp.695-699.ISBN978-0875428321
スキナー&ランキンは、スローン MS 3648は早くとも1657年以降、遅くとも1687年までに作られたと推定している。スローン MS 2731 (1686/7年) に使われた原本の一つと考えられ、また、1657年に出版されたロバート・ターナー英訳「アルス・ノトリア」の写しを第5部に収録しているため。