リガンド依存性イオンチャネル
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リガンド依存性イオンチャネル (リガンドいぞんせいイオンチャンネル、Ligand-gated ion channels; LIC、LGIC) は、一般的にイオンチャネル型受容体とも呼ばれ、神経伝達物質などの化学的メッセンジャー (すなわちリガンド) の結合に応答して、Na+、K+、Ca2+、Cl-などのイオンが膜を通過するように開く、膜貫通型イオンチャネルタンパク質のグループである[1][2][3]。
![]() リガンド依存性イオンチャネル | |||||||||
識別子 | |||||||||
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略号 | Neur_chan_memb | ||||||||
Pfam | PF02932 | ||||||||
InterPro | IPR006029 | ||||||||
PROSITE | PDOC00209 | ||||||||
SCOP | 1cek | ||||||||
SUPERFAMILY | 1cek | ||||||||
TCDB | 1.A.9 | ||||||||
OPM superfamily | 14 | ||||||||
OPM protein | 2bg9 | ||||||||
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![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e9/Ion-Channel_Receptor.svg/320px-Ion-Channel_Receptor.svg.png)
シナプス前神経細胞(英語版)が興奮すると、小胞からシナプス間隙(英語版)に神経伝達物質が放出される。次に、神経伝達物質はシナプス後神経細胞(英語版)にある受容体に結合する。これらの受容体がリガンド依存性イオンチャネルである場合、結果として生じるコンホメーション変化によりイオンチャネルが開き、細胞膜を横切るイオンの流れが生じる。これにより、興奮性の受容体反応では脱分極、抑制性の受容体反応では過分極が発生する。
これらの受容体タンパク質は、典型的には、少なくとも2つの異なるドメインから構成されている。イオン孔を含む膜貫通ドメインと、リガンド結合部位 (アロステリック結合部位) を含む細胞外ドメインである。このモジュール性により、タンパク質の構造を見つけるための「分割統治」アプローチが可能になった (各ドメインを別々に結晶化する)。シナプスに位置するこのような受容体の機能は、シナプス前に放出された神経伝達物質の化学信号を直接かつ非常に迅速にシナプス後の電気信号に変換することである。多くのLICは、アロステリックリガンド、チャネルブロッカー(英語版)、イオン、または膜電位によってさらに調節される。LICは、進化的な関係を持たない3つのスーパーファミリーに分類される。Cysループ型受容体(英語版)、イオンチャネル型グルタミン酸受容体(英語版)、ATP依存性チャネルである。