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ミンスク・ホイール・トラクター工場(ベラルーシ語: Мінскі завод колавых цягачоў, МЗКЦ、ロシア語: Минский завод колёсных тягачей, МЗКТ、英語: Minsk Wheel Tractor Plant, MWTP, MZKT)は、ベラルーシ、ミンスクに拠点を置く貨物自動車と特殊車両および軍用車両の製造を行う国有企業。1991年までミンスク自動車工場の一部門であった。MZKTで製造された車両は「ボラット(VOLAT)ベラルーシ語: волат(巨人)」ブランドとして販売が行われている。
トラックや軍用車両の製造を行っていたミンスク自動車工場内に1954年7月23日、ソビエト連邦閣僚会議の命により特別設計局が設立され[1]、その設計を基に軍事車両を開発した軍事部門であり、輸送起立発射機であるMAZ-535[2]やMAZ-537および1959年のMAZ-543[3]などの多軸式大型特殊車両を製造していた部門を1991年に分社化したことで誕生している。設立後、これらの大型特殊車両製造はMZKTへと引き継がれ、MZKTで製造が行われている。軍事用大型特殊車両開発で得た経験を基に民生品の製造を開始しており、MZKTで製造された車両は官民問わず全てボラットブランドとしての販売が行われている。この様な特殊車両は旧ソビエト圏で需要が高いものの、年間生産台数は100台程度に留まっており、1992年に軍の需要が鈍化したことにより民間産業向け車両販売への路線転換を行っている。また、車両製造に関し、ダイムラー・ベンツ、ドイツAG、デトロイトディーゼル、ZFフリードリヒスハーフェン、ITAGなどと技術協力関係を結んでおり、これらの技術や部品を使用したトラック、バス、ターミナル・トラクターなどの製造が行われている[4]。
2005年に26,5億ルーブル(約38億円)を掛けた企業再編計画が立案されており、この内17億ルーブル(約24億円)はベラルーシ大統領令による補助金により賄われ、企業名もミンスク・ホイール・トラクター工場へと変更が行われている[5]。2006年から2010年にかけ工場の設備を一新する設備投資案が作成され、承認されたことで費用は総額1億5,000万ドル(約159億円)にまで達している。
なお工場の下に15㎞の地下道があり防空壕の機能を持ち合わせている。
2020年8月17日、工場を視察に訪れ登壇したアレクサンドル・ルカシェンコ大統領に対し、6期連続となる当選を果たしたことで国内では不正選挙が疑われており、労働者らが国家独立闘争の象徴であり[6]、1995年にルカシェンコ大統領主導による現在の国旗採用に反対する意味が込められた紅白旗を振りながら「出て行け!」と叫び辞任を要求。選挙のやり直しには応じないと表明していたルカシェンコは立腹し「ありがとう、全て話した。「出て行けと」叫んでもらって構わない」と残し降壇した[7][8]。この他、産業機械大手ベラーズの工場内でも労働者による抗議の行進が行われている[9]。
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