Loading AI tools
ウィキペディアから
フクシン(Fuchsine)またはローズアニリン塩酸塩は、化学式C20H19N3·HClで表される紅紫色染料である[1][2]。実際には類似する化合物の混合物であり、その構成物質は様々な名で呼ばれる[1]。
フクシン | |
---|---|
4-[(4-Aminophenyl)-(4-imino-1-cyclohexa-2,5-dienylidene)methyl]aniline hydrochloride | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 632-99-5 |
ChemSpider | 21106314 |
UNII | 8UUC89LHB2 |
RTECS番号 | 8053-09-6 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | C20H20N3·HCl |
モル質量 | 337.86 g/mol (塩酸塩) |
融点 |
200°C |
水への溶解度 | 2650 mg/L (25°C) |
log POW | 2.920 |
蒸気圧 | 7.49E-10 mm Hg (25°C) |
kH | 2.28E-15 atm-m3/mole (25°C) |
Atmospheric OH rate constant | 4.75E-10 cm3/molecule-sec (25°C) |
危険性 | |
主な危険性 | Ingestion, inhalation, skin and eye contact, combustible at high temperature, slightly explosive around open flames and sparks. |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フクシンは1858年、アウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマンによってアニリンと四塩化炭素から合成された[3][4]。François-Emmanuel Verguinはホフマンと同年、独立にこの物質を発見し特許を取った[5]。"フクシン"という名はその製造業者Renard frères et Franc[6]によって付けられた。由来は諸説あるが、植物学者レオンハルト・フックスに献名された植物フクシア(花の色が似る)に因むという説[7]、自身の名Renard(キツネ)をドイツ語にしたFuchsに由来するという説がある[8]。1861年のRépertoire de Pharmacieによると、双方の理由で命名したようである[9][10]。
酸性フクシンは塩基性フクシンをスルホン化したものである。スルホン化によって12の異性体が得られるが、化学的性質はどれもそれほど違わない。
塩基性フクシンはローズアニリン・パラローズアニリン・ニューフクシン・マゼンタ2などの混合物である[11]。実際の組成・性質は製法により微妙に異なる。シッフ試薬を作る場合は、純粋なパラローズアニリンが最も適する[12]。
この化合物は2つの一級アミン、1つの二級アミンを持つ。二級アミンがプロトン化されると、共鳴構造の寄与により正電荷は分子全体に非局在化される。このためこの化合物は強塩基性を示し、これを塩酸で中和し塩化物とすることで安定な結晶として得ることができる。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.