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ピンポン録音とは、マルチトラック・レコーダーやその他レコーディング・デバイスを用いたレコーディング・セッションにおける録音作業方法の1つ。録音可能トラック数が足りない時などにボーカルや演奏などの音声信号を録音した複数のトラックから同一のテープ上あるいはセッション内の空きトラックに、いくつかのトラックからの選択された音声信号を特定の音源毎にミキシングされた状態で録音する手法の事 [1]。「リダクション・ミックス」または「バウンス」作業の中で行われる録音方法でもある。1台のレコーダー内の複数トラックに録音された、音声信号(あるいは、そのデータ)がトラック間を卓球のように行き来することから、ピンポンと名付けられたともいわれている。
内容としてはピンポンと同じ意図で同様の作業が行われているが、DAWなどを用いたレコーディング作業の場合、ピンポンとは呼ばずにバウンスと呼ばれる事がある。DAW使用で最終ミックスをミキシング・データから演算されたオーディオ・ファイルとして書き出す際に、その作業名としてバウンスという表現が一般的であり、ミックス全体を書き出す場合と任意のトラックを書き出す場合の両方の工程としてバウンスという名称が使われている。
ピンポンさせたい複数トラックが最終ミックス時に1点から聴こえるモノラル定位で良い場合には、トラックのまとめ先は1トラック(=モノラル)となり、最終ミックス時にステレオ定位させたい場合には2トラック(=ステレオ)必要となる。ステレオ定位させる為のピンポンの場合には、パン・ポットで各々のトラックを定位させたり、ステレオ・エフェクターなどでステレオ音像を加算するなどする場合がある。
作業の際に、トラッキングされたままの素材をバランスだけ取りピンポン先へ録音する場合もあるが、EQやコンプレッサー/リミッターなどを用いて音色を調整したり、リバーブレーターやディレイなどを掛け録りするなど、最終ミキシング時に行う作業と同様のミキシング作業をピンポンされる素材となる複数トラックに対して施してからまとめ先へ録音する場合もある。
また、実際のトラック数に余裕がある場合でも、ミキシング時の作業効率緩和や作業しているコンソールの入力トラック節約やDAWなどの場合には演算処理する際のCPUにかける負荷軽減のためにもピンポン作業が行われる事がある。これと似た作業にSTEMミックス作成というものがあるが、その場合は何らかの負荷軽減などが目的ではなく、最終ミキシングをいくつかのグループに分けた形でピンポン時同様のルーティングを用意し、最終ミキシングバランスの中からある特定のグループに属する音声トラックを持ち上げたりカットしたりする用途のために映画向けやコンサート会場での利用向けなどに作成される作業内容。この場合は最終ミキシングを終えた後でまとめ先を分けるだけの工程となる場合もある。
以上の事から、ピンポンとミキシング作業はほぼ同じ作業を含んでいるが、作業意図が明確に分かれているため最終音源を作成するミキシング作業とは区別されているか、その作業内における1つの工程として分類されている。
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