ビアーズ基準
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ビアーズ基準(ビアーズきじゅん、英語: Beers Criteria)とは、高齢者における潜在的に不適切な医薬品の使用を認識するために、マーク・ビアーズによって提唱された基準とそれに合致した薬の一覧である。高齢者の医療において有害な副作用(薬物有害事象)を減少するための方策である[1]。一般にビアーズリストと呼ばれる。ビアーズと共同で開発された日本版ビアーズ基準も公開されている[2][3]。
潜在的に不適切な医薬品とは、2種類あり、高齢者において効果が無いか、不要に高い危険性があり、他に代替の医薬品がある医薬品か、特定の病態において避けることが望ましい医薬品である[4]。
アメリカ合衆国におけるビアーズ基準は、1991年に公開されて以来、1997年、2003年と改定され[1]、広く高齢者介護の分野で用いられたが[5]、ビアーズ医師は2009年に死去した[6]。2012年に、アメリカ老年医学会(AGS)がビアーズ基準を更新し[1]、3年ごとに更新するとしている[5]。ビアーズ基準は、簡便性を担保するために網羅を目指したものではなく、一覧に挙げられる薬剤は代表的なものであり、薬効や特に副作用が同類の薬剤は、同様に扱われることを意味する[7]。