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貨物自動車における荷役省力化装置(昇降機) ウィキペディアから
パワーゲート (Power gate) は貨物自動車における荷役省力化装置のひとつで、車両後部に装着して使用するエレベーター(昇降機)の一種で、極東開発工業の商標である。一般にはテールゲート昇降装置、テールゲートリフター(Tail gate lifter)、米国ではリフトゲート(Lift gate)、英国ではテールリフト(Tail lift)とも呼ばれており、大型トラックから軽トラック、ピックアップトラックに至るまで幅広い車種に採用されている。日本では1964年に極東開発工業が商品化[1]、極東開発と新明和工業との2社でOEMを含めて日本国内シェアの大半を占めている。
パワーゲートは積み降ろしの際にゲートを展開して使う。動力は電動モーター、油圧、真空、チェーン、ワイヤーなどが用いられる。
走行中やゲート非使用時は路面や荷台床面に対してゲートを垂直に固定して、荷台のあおり板とすることが多い。工事用作業車では垂直式が側面に設置されている場合がある。パワーゲートの弊害として、構造上ゲートを展開しなければ荷物を出し入れできない、プラットホームに着けられない、バンボディではドアを開けることができないなどが挙げられる。このため、タックアンダー式のようにゲートを収納できる機構を持つものが登場している。バンボディではゲートを扉そのものとしたり、扉の一部と見なして上の部分に扉を設けた設計が見られる。
ヨーロッパのパワーゲートには、転落防止のために、安全柵を装備したものがある[2]。
主に配送車で見られる。積載時はトラックの荷台の高さに合わせたプラットホームやフォークリフト、クレーンなどがあっても、荷降ろしのときはこれらの設備がない(またはその逆パターンかいずれも存在しない、もしくはプラットホームがあっても段差が生じる)場合に、重い物や壊れやすい物を輸送する場合は積み降ろしに人手や時間がかかっていた。その際にパワーゲート車を採用することで、荷役作業員や運転手の負荷を軽減している。
メーカーによって複数の名称があるが、「パワーゲート」は極東開発が、また「すいちょくゲート」は新明和工業がそれぞれ商標登録している。なお新明和工業の製品にも「パワーゲート」の商品名がある。
労働安全衛生総合研究所によると、パワーゲートに起因する労働災害の類型別の比率[注 1]は以下であった[2]。
厚生労働省は、「パワーゲートに起因する労働災害のうち、全体の65%は、重篤な災害につながるおそれがある『作業者や荷が倒れたり、転落する』災害が占める」「全体の約20%を占める『昇降板と荷台との間に足などがはさまれる』災害にも注意が必要」として注意喚起を行っている[2]。
2024年(令和6年)2月1日以降、事業者が労働者にテールゲートリフター[注 2]を使用して荷を積み卸す作業を行わせる場合、労働安全衛生法に基づく特別教育の実施が必須となる[3]。
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