デジタル回路
ウィキペディア フリーな encyclopedia
デジタル回路(デジタルかいろ、英: digital circuit - ディジタル回路)は、アナログ回路に対比してデジタル表現された電気信号の論理演算、相互変換、蓄積及び伝達などを行う[1]、離散的な電位範囲など[注釈 1]を情報の表現に用いる電子回路で、論理回路の実現法のひとつである。信号レベルが公差、減衰、ノイズなどで若干変動したとしても、しきい値[注釈 2]の範囲内ならば無視され、いずれかの状態として扱われる。許される範囲に間隔が設定されていて、「いずれの状態でもない」という異常として検出されるといった場合もある。
![]() |
まず2状態を前提として説明する。2000年代の多くの機器では、0Vに近い電圧と、5Vや3V、1.2Vといった電圧を、2種類の状態に対応させている。これらはそれぞれ「Low」「High」、「L」「H」などと表現される。Lowを0や偽、Highを1や真に対応させる正論理と、逆に対応させる負論理は、相互接続などではどちらかに決めないといけないが、内部的には適宜使い分ける(回路的にはANDやORよりもNANDやNORのほうが作りやすいといったこともあり、適宜使い分けないと非常に効率が悪い)。かつては15V程度までは使われることもあった。以上は集積回路ベースの現在広く使われている回路の場合で、いわゆるディスクリート部品の時代や、真空管による回路の時代にはもっと高い電圧が使われていた。また、2010年代に増えてきたMLCのフラッシュメモリなどのように、多値論理に相当する、2よりも多くの状態を利用している素子や機器といったものもそれなりにある。