スペイン南部地震

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スペイン南部地震

スペイン南部地震(スペインなんぶじしん)は、スペインムルシア州ロルカ震源として、2011年5月11日18時47分(CEST[注 1]に発生した、モーメントマグニチュード5.1の直下型地震である[1][5]ロルカ地震ともいう。

概要 スペイン南部地震, 本震 ...
スペイン南部地震
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震源の位置
本震
発生日 2011年5月11日
発生時刻 18:47:26(CEST
16:47:26(UTC
震央 スペイン ムルシア州 ロルカの北東約2.5km
北緯37度41分41秒 西経1度40分32秒
規模    MW[1]5.1
最大震度    メルカリ震度階級[1]VII: ロルカ
余震
回数 134[2]
被害
死傷者数 死者9人[3]、負傷者167人、重傷者3人[4]
被害地域 スペイン
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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本震の揺れはアルメリア県アルバセテ県グラナダ県ハエン県マラガ県アリカンテ県シウダ・レアル県マドリードでも感じられた[3]。17時5分にはモーメントマグニチュード4.5の前震があった[6][7]余震も複数回発生し、22時37分に発生したモーメントマグニチュード3.9の余震が最大であった[8]。ムルシア州はスペインの中では地震が多い地域であるが、今後大きな地震が発生する可能性は低いという[9]

概要

要約
視点

前震

2011年5月11日17時5分、モーメントマグニチュード4.5の前震が発生した[10]。後にこの前震は本震と同じ断層を震源とするものであることが報告された[11]。揺れはそれほど大きなものではなかったが、建物などの被害が報告された[12]

本震

アメリカ地質調査所発表の震度分布図[13]

本震は5月11日18時47分、ロルカの北東約2.5キロメートルを震源として発生した。震源の深さは3キロメートル[注 2]。全域で人間が感じることができるほどの揺れがあったわけではないが[18]、ムルシア州を中心としてイベリア半島南東部全域で揺れが観測された[3]アフリカ大陸とスペインの間にある地中海ユーラシアプレートアフリカプレートが沈み込んでおり、アルアマ・デ・ムルシア英語版付近の断層が震源と見られる[19][20][21]。この断層は40~50キロメートル程度の長さで、断層に近い地表が破壊されたのが確認されている[11]。地震の規模についてアメリカ地質調査所は当初モーメントマグニチュード5.3と発表した[22]。ヨーロッパ地中海地震センターはリヒターマグニチュード5.2と発表した[14]。震源が浅かったため、マグニチュードの数字の割に大きな被害が発生した。震源に近いロルカではメルカリ震度階級VII、その周辺地域でもメルカリ震度階級Vを記録した[23]

余震

5月11日22時37分に発生したモーメントマグニチュード3.9の余震が最も大きな余震であった[24]。6月27日1時33分までに合計134回の余震が報告されている[2]

主な地震

さらに見る 日付, 時間 (CEST) ...
主な地震の一覧[注 3]
日付時間
CEST
震源震源の深さ
(km)
規模
MW
最大震度
MM
備考
2011/05/1117:05:13ロルカ北東
北緯37度42分15秒 西経1度40分52秒
24.5VI
2011/05/1117:21:01ロルカ東
北緯37度40分16秒 西経1度39分2秒
102.6-
2011/05/1118:47:25ロルカ北東
北緯37度41分41秒 西経1度40分32秒
35.1VII本震
2011/05/1118:53:15ロルカ東
北緯37度39分50秒 西経1度38分1秒
112.8-
2011/05/1121:28:18ロルカ北東
北緯37度43分21秒 西経1度39分51秒
22.9-
2011/05/1122:37:45ロルカ北東
北緯37度41分38秒 西経1度39分10秒
43.9IV最も強い余震
2011/05/1122:44:06ロルカ東
北緯37度41分46秒 西経1度36分35秒
112.7-
2011/05/1323:08:37ロルカ東
北緯37度41分7秒 西経1度39分48秒
62.6III
2011/05/1402:49:32ロルカ北東
北緯37度41分37秒 西経1度39分57秒
42.8III
2011/05/1423:10:25ロルカ南東
北緯37度39分56秒 西経1度40分13秒
52.9III
2011/05/1423:54:35ロルカ東
北緯37度40分27秒 西経1度39分51秒
42.7III
2011/05/1502:03:03ロルカ南東
北緯37度39分53秒 西経1度39分59秒
72.8III
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被害

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地震の被害を受けたロルカ・ストゥジェーナ駅スペイン語版
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地震によって倒壊したサンティアゴ教会。

人的な被害は死者9人[3][26]、負傷者167人、重傷者3人であった[4]。建造物の被害について、ロルカ市のフランシスコ・ホダルスペイン語版市長によると、地域の住宅のうち約80%が何らかの被害を受けた[27]。またロルカ城英語版をはじめとして33の文化遺産が被害を受けた。ムルシア州政府文化委員会のペドロ・アルベルト・クルススペイン語版によると、ヨーロッパでこれほど文化遺産が被害を受けたのは1997年にイタリアで発生したアッシジ地震英語版以来のことであるという[28]。スペイン地質学協会のテナ・ダビラによると、地震自体は規模、震源ともに予測の範囲内であったが、ロルカは2000年以上の歴史を誇る古い都市であるため、中世バロック時代に建てられた現代的な耐震構造を備えていない建築物が多く、そのため被害がここまで拡大したという[29]

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ロルカ市の主な被害[26]
震源、 建物の被害、 死者

注釈

  1. 特に断りがない限り本項では時間表記を現地時間であるCESTUTC+2)に統一する。
  2. ヨーロッパ地中海地震学センターが2011年5月11日に発表したデータでは2キロ[14]ロイター通信社などが5月12日に報じたところによると2キロ[15][16]、スペイン国立地理研究所による7月13日の報告によると3キロ[17]となっている。本項ではスペイン国立地理研究所の発表を採用する。
  3. スペイン国立地理研究所英語版発表のデータでは、6月に起きた地震まで当該地震の余震に含まれている[25]

出典

参考文献

外部リンク

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