ゴットランド島(ゴットランドとう、またはゴトランド、Gotland [ˈɡɔ̌tːland] ( 音声ファイル))はスウェーデン最大ので(2番目はエーランド島)、同国南部に位置する(地図参照)。面積3,183.7 km2[1]バルト海で最大の島でもある。

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市の紋章
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スウェーデン本土とゴットランドの位置関係

島名の「ゴットランド」とは「ゴート族の地」の意。人口は 5万8595人(2017年時点)、主な収入源は観光農業である。1950年頃までは地質学における年代区分において、シルル紀を「ゴットランド紀」と称していた。これは全島がシルル紀の化石サンゴ礁から構成されていることに由来する。

ゴットランドの主な都市は、多くの歴史的な建物とハンザ同盟時代の城壁のほとんどを完全に残すヴィスビューである。観光地としても人気がある[2]

ゴットランドは以下の主島である:

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地図

地理・地質

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シルル紀のサンゴ礁化石

本土から東に90km離れ、バルト三国ラトビアから130kmの距離にある。人口5万7221人の内、2万2200人が中心都市ヴィスビューに住む[3]。最高地点は82mである。島は南東へ傾斜するシルル紀の石灰岩頁岩で構成される。これらは浅海の堆積物で、サンゴ礁も存在した。石灰岩はロークスと呼ばれるカルスト地形を生んだ。

ゴットランド島にはコハクチョウカオジロガンなどの多くの渉禽類ガンカモ類が生息しており、内陸部の石灰岩地域にフェン、小川と湧水が分布しており、湿地ヒトモトススキ属Cladium mariscus英語版が生えている。沖合の離島を含む南東海岸の6ヶ所は1974年に[4]、北東部内陸のカルガテ=ヘイヌム湿地は2001年にそれぞれラムサール条約登録地となった[5]

文化

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ヴィスビュー近くの城壁

歴史・民族

ゴットランド島は中世においてはヴァイキングが支配し、通商・貿易の拠点として栄えた。 近年、ゴッドランド大学遺伝考古学教室が行った700年頃のゴットランド貴族の墓の発掘調査でDNA分析が行われた。その結果、埋葬されていた人骨11体の内、完全なコーカソイド系とされた人骨が4体、6体はコーカソイドモンゴロイドとの混血とされ、1体は完全な東アジア系のモンゴロイドと判定された。これはヴァイキングが通商を通じて、異民族・異人種と盛んに交流を行い、ゴットランドがその拠点であったことを裏付けている。実際、ヴァイキングは西はグリーンランド及び北米、東は中央アジアからシベリアに至るまで交易を広げていた。

この島は長らくデンマークの領土であったが、1645年トルステンソン戦争の講和条約であるブレムセブルー条約によって、スウェーデン領となった。

1808年第二次ロシア・スウェーデン戦争ではロシア帝国軍2000人が上陸して1日で降伏[2]、20日間占領された。

軍事

バルト海中部の要衝であるため、沿岸諸国の争奪・対峙の舞台となってきた。1939年ソビエト連邦フィンランドに侵攻すると(冬戦争)、ゴットランド島でも住民が警戒のため動員された[2]第二次世界大戦下のスウェーデン中立を維持。戦後の東西冷戦下でも北大西洋条約機構(NATO)とソ連など東側諸国でつくるワルシャワ条約機構のいずれにも加盟しなかったが、ゴットランド島では最大2万5千人を動員できる態勢をとり、レーダーや地下司令部を建設した[2]

冷戦終結後の2005年、スウェーデン軍は一時ゴットランドから撤退したが、ロシアによるクリミアの併合(2014年)を受けて方針を転換[6]。2016年9月に島での軍事演習を再開。2017年7月以降は地対空ミサイルなどを装備した兵士約160人が常駐する。冷戦期に約350カ所作られた有事の避難用シェルターの点検も進めている[7][8]。2022年時点ではスウェーデン軍約400人が駐留している[2]ほか、島民がスウェーデン郷土防衛隊に参加している[6]2022年ロシアのウクライナ侵攻を受けてスウェーデンはNATO加盟を申請して認められ、同年6月6~10日にはスウェーデン軍とNATO軍が島で合同演習を行なった[2]

島の防衛を担うのはゴットランド連隊であり、島と南方300キロメートル弱で向かい合うロシア連邦の飛び地領土カリーニングラード州からの攻撃を特に警戒している[2]

インフラ

第二次世界大戦後にゴットランドで送電のいくつかの新しい方法がテストされた。そして、スウェーデン本土とゴットランドの間で西半球における最初の使用できる超高圧直流送電システムen:HVDC Gotland」が取り付けられた。

1999年に、超高圧直流送電システム(SVDC Visby-Nas)で初めてウィンドパークが接続された。

関連項目

脚注

外部リンク

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