クレスチン
ウィキペディア フリーな encyclopedia
クレスチン(Krestin)は、クレハと第一三共より共同販売されていた抗悪性腫瘍剤(抗がん剤:生物学的応答調節剤)の商品名(登録商標)である。PSK (polysaccharide-Kureha) という略号で表されることもあるが、こちらも登録商標である。成分は、カワラタケ(Trametes versicolor)CM-101株菌糸体より得られる多糖類でタンパク質と結合している[1]。
2017年3月17日、クレハは、クレスチン細粒の製造販売を中止すると発表した[2]。需要が減少し、製造販売を中止しても治療への影響は少ないと判断したためで、2018年3月末で薬価基準から削除される(第一三共からの販売は9月末で中止の予定)[2]。
本剤は手間のかからない経口投与で、深刻な副作用がないことから[3]、1977年の販売開始後、単独でかなり多く使われた時期があった。 しかし、1989年12月に効能・効果(後述)が改められ単剤使用は認められなくなり、化学療法と併用する薬剤となった[2]。 クレスチンは、担癌により低下した免疫応答機構を改善・回復することにより抗腫瘍作用を発揮すると考えられる。