オペロン
DNAの機能的単位の1つであり、単一のプロモーターの制御下に置かれている遺伝子のセットを単位とする / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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この項目では、遺伝学における形質を発現させる遺伝単位について説明しています。ポリウレタン素材のブランド名については「ライクラ」をご覧ください。 |
遺伝学においてオペロン(英: operon)とはDNAの機能的単位の1つであり、単一のプロモーターの制御下に置かれている遺伝子のセットを単位とする[1]。同じオペロンに含まれる遺伝子はともにmRNAへと転写され、細胞質でともに翻訳されるか、もしくはスプライシングによってモノシストロン(英語版)のmRNAが形成されて個別に翻訳される。そのため、同じオペロンに含まれる遺伝子はともに発現するか全く発現しないかのいずれかである。
当初、オペロンは原核生物(色素体など細菌に由来する細胞小器官を含む)にのみ存在すると考えられていたが、1990年代初頭に真核生物で最初のオペロンが発見されて以降[2][3]、以前想定されていたよりも一般的なものであることを示唆する証拠が多く得られている[4]。一般的に、原核生物のオペロンの発現によってポリシストロンのmRNAが産生されるが、真核生物のオペロンからはモノシストロンのmRNAが形成される。
オペロンはバクテリオファージなどのウイルスにも存在する[5][6]。例えば、T7ファージには2つのオペロンが存在する。1つ目のオペロンはT7 RNAポリメラーゼ(英語版)を含むさまざまな産物をコードしており、2つ目のオペロンにはT7 RNAポリメラーゼが結合して転写を行う。2つ目のオペロンには溶菌のための遺伝子が含まれており、宿主細胞の溶菌を引き起こす[7]。