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オシロイバナ(白粉花、白粧花; 学名: Mirabilis jalapa)は、オシロイバナ科の多年草。
南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来し、観賞用に栽培される。気候上一年草として扱われていたが、温暖化により宿根草として広く野生化している。
発芽率が高く強壮で、踏まれたり折れたりしても維管束が断絶しなければ成長を続ける。
茎はよく枝分かれして灌木状となるが節がはっきりしていて、木質化はしない。多年草になっても全体にみずみずしい緑色をしている。
花は五裂するが花弁ではなく萼で、雌しべと5本の雄しべがあり、基部は緑色でふくらみ、がくのように見える総苞がある。芳香がある。 色はベタレインの発現差による赤(ベタシアニン)、黄(ベタキサンチン)、白(発現無し)の三色が基本で、さらに不完全優性によるピンク(赤と白の混合)、トランスポゾン発現とその時期による源平咲き(ひとつの株にふたつの色の花が咲く)、咲き分け(ひとつの花がふたつの色に区分される)、絞り模様(筋、まだら、斑点状にふたつの色が分散する)が見られる[2]。白と黄の絞りは少ない。
咲くのは夕方4時頃で、和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれるが、この名はアカバナ科のものにも使われているので注意を要する。英語ではFour o'clock、中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)、煮飯花(夕飯の時間から)などと呼ばれる。 夜間に開き花筒が長いので口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。
花後、萼は基部を残して脱落し、総苞に包まれた果実(種子を1つ含む)が黒く熟す。種子は白い粉状の胚乳を持ち、白粉花の由来となった。
オシロイバナ属には観賞用に栽培されるもののほか、アンデス山脈周辺でいもを食用にするもの(maukaまたはchago、M. extensa)もある。
根を利尿、関節炎の生薬として処方される。また、葉は切り傷、たむしの治療に用いられる[3]。 ただし全草、特に種子や根は有害なアルカロイド(トリゴネリン)を多く含むため、利用は専門職の知見に基づく必要がある。
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