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いて座の恒星 ウィキペディアから
いて座ο星(いてざオミクロンせい、ο Sagittarii、ο Sgr)は、いて座にある恒星である[6]。見かけの等級は3.77と、肉眼でみえる明るさである[1]。年周視差に基づいて太陽からの距離を計算すると、約137光年である[2][注 1]。
いて座ο星 ο Sagittarii | ||
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星座 | いて座 | |
見かけの等級 (mv) | 3.77[1] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 19h 04m 40.9820400284s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −21° 44′ 29.385451232″[2] | |
視線速度 (Rv) | 26.1 ± 0.6 km/s[2] | |
固有運動 (μ) | 赤経: 77.445 ± 0.187 ミリ秒/年[2] 赤緯: -58.460 ± 0.142 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 23.8121 ± 0.1518ミリ秒[2] (誤差0.6%) | |
距離 | 137 ± 0.9 光年[注 1] (42 ± 0.3 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | 0.625[3] | |
いて座ο星の位置(矢印)
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物理的性質 | ||
半径 | 11.7 ± 0.9 R☉[4] | |
質量 | 2.0 ± 0.3 M☉[4] | |
表面重力 (log g) | 2.66 cgs[3] | |
スペクトル分類 | G9 IIIb[1] | |
光度 | 67.6 L☉[5] | |
有効温度 (Teff) | 4,759 K[3] | |
色指数 (B-V) | 1.01[1] | |
色指数 (U-B) | 0.85[1] | |
色指数 (R-I) | 0.53[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.04[3] | |
年齢 | 2.39×109 年[5] | |
他のカタログでの名称 | ||
いて座39番星, ADS 11996, BD-21 5237, GJ 9641, HD 177241, HIP 93683, HR 7217, IRC -20536, SAO 187643[2] | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
いて座ο星は、南斗六星の北5度くらいの辺り、黄道のすぐ北に位置している[6]。いて座の主要部分を占める「ティーポット」と呼ばれるアステリズムと並ぶ、「ティースプーン」というアステリズムを、いて座π星、いて座ξ星、いて座d星、いて座ρ1星と共に形成している[7][6][注 2]。
中国ではいて座ο星は、太陽・月・惑星が出入りする関所、あるいは旗を表す建(拼音: )という星官を、いて座ξ2星、いて座π星、いて座d星、いて座ρ1星、いて座υ星と共に形成する[9][10]。いて座ο星自身は、建二(拼音: )すなわち建の2番星に当たる[9][10]。
いて座ο星は黄色巨星で、スペクトル型はG9 IIIbに分類される[1]。いて座ο星は、巨星の中でもレッドクランプ巨星と位置づけられ、年齢はある程度以上古く、金属欠乏でもないことが示唆される[11]。いて座ο星の年齢は24億年と推定され、金属量は太陽との比較で9割程度とみられる[5][3]。質量は太陽の2倍程度、半径は太陽の12倍程度まで広がり、光度は太陽のおよそ68倍、光球の有効温度は4759 Kと見積もられている[4][5][3]。
いて座ο星は、トーマス・シーによって「伴星」が発見され、二重星とみなされている[12][13]。この「伴星」は、いて座ο星から南西に30ないし40秒離れた位置にあるが、天の川の中に位置するいて座ο星は周囲に無数の背景星があり、この「伴星」だけが物理的に関係があるとは考えづらく、いて座ο星は単独星の可能性が高いとされている[13][6][14]。
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