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『鼠璞十種』(そはくじっしゅ)は江戸学者三田村鳶魚が江戸についての未刊随筆を集めた叢書。幕末成立の『燕石十種』の影響を受ける。
価値の低いものを高いものとみなすことを意味する成語「鼠を以って璞と為す」に由来する。『燕石十種』の「燕石」にもそのような意味がある。
三田村鳶魚は1916年(大正5年)1月7日、国書刊行会代表者早川純三郎に随筆4冊を依頼された。国書刊行会は先に幕末成立の『燕石十種』を翻刻、『続燕石十種』『新燕石十種』を手がけている。三田村の初期の構想は大正5年の当用日記始末に書き残されており、実際の刊行では「雪の降道」が除かれ、「色里新かれうびん」が入った。
後年に三田村は、規模を拡大した『未刊随筆百種』(米山堂、1927年)を刊行した。昭和45年(1970年)に「鼠璞十種」は名著刊行会で復刊された。同じ時期に「未刊随筆百種」は臨川書店で復刊された
昭和53年(1978年)に、森銑三、野間光辰、朝倉治彦監修により、中央公論社で校訂本(上中下巻)が刊行。宇田敏彦、安藤菊二が分担して諸書の現存文に杉本苑子の推薦文が付す。
編集者[7]は、先に『三田村鳶魚全集』『未刊随筆百首』を校訂刊行しており、翌年より、新たに随筆を集めた『随筆百花苑』を編集刊行した。
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