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切削加工の工具、のみ ウィキペディアから
鑿(のみ)は、木材、石材、金属などに穴を穿ったり、彫刻したりするのに用いる切削加工の工具。部材に対して尾部をハンマーなどで叩く叩き鑿と、両手で突く突き鑿に大別される[1]。
新石器時代に鑿の原型となるが突き鑿が出現し、人類文明の発展とともに金属製の鑿が利用されるようになった。古代エジプトの遺跡からは叩き鑿と木槌、向待ち鑿が出土している。日本には大陸から鉄製のたがね鑿が渡来し、やがて袋状の口金に木柄を差し込む袋鑿が現れる。江戸時代の江戸で木柄に明けた穴に刃部の尾部を差し込んだ「込み式」が考案され、現代の一般的な鑿の構造となっている[1]。
木工用の鑿は、刃の付いた金属部分と木柄からなる[1]。刃の付いた金属部分のうち、先端の太くなっている部分を日本では「穂(穂先)」、木柄とつながり細くなっている部分を「首」といい、首と柄とは口金(はかま)で固定されている。口金と刃部が一体となったものを袋式(ソケット式)といい、口金が付いた木柄に刃部を差し込むものを込み式(タンク式)という。欧米の鑿には、首と口金の間に革製のワッシャーを入れて緩衝材としたものもある。叩き鑿には、木柄が割れないように、柄頭に環状の金属製の部品(「かつら」「冠」「下がり輪」などという)が取り付けられている。
鑿の刃は、断面形状から面取り(Beveled Edge)形、角打ち(Squared Edge)形、鎬形に大別される。日本や台湾では上面の軟鉄(地金)と下面の鋼が鍛接されたものが多いが、中国や欧米では全鋼のものが多い[1]。日本では地金の面を「甲表」、鋼の面を「刃裏」と呼び、傾斜した面を「切れ刃」と呼ぶ。
木柄の木材は日本ではアカガシやシラカシが主で、欧米ではブナやツゲ,トネリコなどが使われる事が多い[1]。アジアの鑿では、叩き鑿の場合は柄の中央が太く、突き鑿の場合は刃部に近い側が太く作られているが、欧米の木柄の形状はさらに多様である。
刃の形状や寸法、用途によって、以下のような種類がある。
突き鑿は狭義の突き鑿以外にも、叩き鑿で掘った穴の内壁の仕上げなどに用いる仕上げ鑿の総称ともなっている[1]。欧米では仕上げ用鑿をペアリングチズル(Paring Chisel)と総称している。
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漢字では木工具の鑿に対し、石工・金工具の方は鏨(たがね)と呼び分けるが、欧米圏・英語ではChiselに一括して扱われる。木に比べて硬い対象を工作するため突き鑿としては使われず、金鎚で叩いて強い衝撃を加えるため木柄も付かず鋼鉄の一本棒で作られている。
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