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茹で物(ゆでもの)は、食品を沸騰させた水(湯)の中で加熱する調理法。同時に調理した食品そのものも茹で物と呼ぶ[1]。現在進行系で「茹でる」、過去形で「茹でた」と言うこともある。
煮物との大きな違いは、単に湯の中で加熱することを主目的とする点で、軽く塩を加えることがある以外、基本的に味付けを行わない所にある。
水に食材を入れてから茹でてゆく場合と、沸き立った熱湯に食材を入れて茹でる場合とがあり、食材によって茹で方が異なる(一般的には、根菜の場合には煮くずれを防ぐために前者の方法、葉菜の場合には変色を防ぐために後者の方法がとられる)。
茹でる際に用いた湯は通常廃棄される。特にホウレンソウなどでは大量の有機酸が出るため使い回しはしない[2]。ただし、料理によっては茹で汁を残しておき利用する場合もある。蕎麦の茹で汁は蕎麦湯と称して、飲用にする。
※調味(味付け)は原則的に行わない。
塩を入れてゆでる方法を塩茹でという。
青菜の場合、ゆで水に1~2%の食塩を入れると緑色の色素であるクロロフィルの安定化に役立つとされている[2]。ただし、大量調理などの場合は塩味が残ってしまう可能性があるため料理などに合わせて食塩使用量を調節する必要がある[2]。
また、海産の魚介類を茹でる際も、旨み成分が流出することを防ぐために、茹で湯の浸透圧を海水に近づける工夫を行うことがある。茹で湯に塩を入れるが分量は「海水程度の塩辛さ」と表される。入れられる塩は調味目的ではない。
後の調味などの前に下拵えを目的に茹でる作業を特に下茹でと称する。
茹ででは水を使用することから、壊れた組織から水溶性の成分(旨味、甘味、苦味、ビタミンCなど)が出過ぎないように留意する必要がある。流出した成分を有効利用するためにゆで汁を使う蕎麦湯、オイスターソース、豆汁のような例もある。
茹でる調理法を残酷であると感じる国(国民性)もある。2019年、イギリス労働党は、動物愛護の観点から公約の一つに「ロブスターやカニを生きたままゆでる調理法の禁止」を掲げている[3]。
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