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竹、木、金属などで作られた枠に和紙を貼った照明器具 ウィキペディアから
行灯(旧字体:行燈、あんどん)は照明器具の一つ。ろうそくや油脂を燃料とした炎を光源とする。持ち運ぶもの、室内に置くもの、壁に掛けるものなど様々な種類がある。もともとは持ち運ぶものだったため「行灯」の字が当てられ、これを唐音読みして「あんどん」となった。携行用は後に提灯に取って代わられたため、据付型が主流となった。
行灯が普及したのは江戸時代である。それ以前は、台の上に火皿を乗せただけで風覆いのない灯明皿が用いられていた。
行灯は、風よけの覆いで火皿を覆った構造である。竹、木、金属などで作られた枠に和紙を張った風よけの覆いで四方を囲った空間に、燃料となる油脂を注いだ火皿を置き、木綿やイグサなどの灯心に点火して使用する。
燃料の油脂には菜種油や魚油などが用いられ、魚油は安価だが燃やせば煙や悪臭が発生する欠点がある。「化け猫が行灯の油をなめる」という伝説は、行灯の燃料に魚油が使われていたことに由来すると考えられる[1]。
明治時代に入ると石油ランプが普及し始め、菜種油の行燈は姿を消していったが、地方では使用される例もあった。富山県の農村部では明治20年代から30年代まで利用されていたとされる[2]。また、新美南吉の童話『おじいさんのランプ』では、日露戦争の頃(1904年)の愛知県半田市付近の農村の生活を「夜は明かりなしの家が多かった。少しぜいたくな家では、お嫁さんが嫁入り道具に持ってきた行灯を灯した」と描写している。
21世紀以降の現在でも和風旅館などでインテリアとして見かけるが、防災上および実用上の観点から、光源として電球やLED電球を使用した行灯型の電気スタンドとなっている。
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