太陽の棘

ウィキペディアから

太陽の棘』(たいようのとげ、Under the sun and Stars)は、原田マハによる日本小説。『別冊文藝春秋』(文藝春秋)にて2012年1月号から2014年1月号まで連載された。単行本の装丁は大久保明子による。装画は、表紙に玉那覇正吉「スタンレー・スタインバーグ」、裏表紙に玉那覇正吉「自画像」(ともにスタンレー・スタインバーグ蔵)が用いられている。

概要 太陽の棘 Under the sun and Stars, 著者 ...
太陽の棘
Under the sun and Stars
著者 原田マハ
発行日 2014年4月21日
発行元 文藝春秋
ジャンル 小説
日本
言語 日本語
形態 四六判上製
ページ数 238
コード ISBN 978-4-16-390053-7
ISBN 978-4-16-790726-6(文庫版)
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示
閉じる

著者が沖縄県立博物館・美術館で開催された、スタインバーグ博士所有のニシムイ・コレクションを紹介するテレビ番組を見たことが、本作を執筆するに至ったきっかけとなっている[1][2]

あらすじ

1946年5月、エドワード・ウィルソンはスタンフォード大学医科大学院を修了する目前に、アメリカ陸軍から、従軍医任命の通達を受ける。研修・臨床経験を積んだのち、エドワードが派遣されたのは、アメリカ合衆国に占領され、戦後復興もままならない、かつての激戦地・沖縄であった……

沖縄では精神科医として、精神を病み荒れる米兵を診察する毎日だが、非番の日に同僚のアランと出かけた気晴らしのドライブで、ニシムイ美術村で暮らす、画家たちと出会う……

長雨が続き鬱屈とする梅雨。焼けつくような強い日差し。何もかも吹き飛ばしてしまう台風。厳しい自然環境と、画材を手に入れる事もままならない経済状況。でも、どんな困難な中でも屈することなく、創作を続ける若き画家たち……

自由にそして情熱的に描かれた彼らの作品に心を奪われたエドワードは、絵画を通じて、美術村の画家たちと交流を深めてゆく……

登場人物

エドワード・ウィルソン
軍医、精神科医。通称はエド。医者になる前は画家になる事も夢見ていたが、絵を描く事は趣味と割り切って、医学の道に進む。気晴らしに出かけたドライブで、ニシムイ美術村を訪ね、そこで暮らす画家らと交流を始める。
アランウォータース
軍医、精神科医。日本文化に興味があり、エド同様、日本人と積極的に交流を図る。審美眼に優れ、その分析力に、エドは「画商になれよ」と冗談を飛ばされるほど。
タイラ・セイキチ
画家、那覇出身。元従軍画家。東京美術学校で学び、サンフランシスコ・アート・インスティテュート(sfai)に留学。留学中に妻であるメグミと出会い恋に落ちる。ゴッホともゴーギャンとも違う、その画にエドは魅せられる。
タイラ・メグミ
日系2世。セイキチの妻。苦しい家計を支える。
ヒガ・エイコウ
画家。元従軍画家。東京美術学校時代にタイラと出会う。戦後は酒浸りで創作に積極的ではないが、その才能は美術村の誰もが認める。
マーガレット・パッカード
スタンフォード大学・法科大学院に通い弁護士を目指す才媛。父親も弁護士で裕福な家庭で育つ。エドワードの婚約者。
ロバート・ヒル
将校・少佐、荒くれ者。
エブラハム・エセックス
軍医、陸軍医療大隊長。幾度も修羅場を経験した猛者。エドにとって上司であり、スタンフォード大学の先輩にあたる。

脚注

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.