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元素鉱物は、単一の元素からなる単体、あるいは合金からなる組成を持つ。ただし、元素としての性質に近い化学的性質を持つ化合物である炭化物、ケイ化物、窒化物、リン化物で構成された鉱物は、例外的に元素鉱物に含まれる。
単体で構成された鉱物の場合、鉱物の正式な名称としては元素そのものの名前が鉱物が使われるが、語弊が生じる場合などは、英名は「Native」、和名は「自然」をつける。例えば金で構成された鉱物は、正式な名称は「金 (Gold)」であるが、特に元素と区別する場合には「自然金 (Native Gold)」となる。日本語の書籍では、和名は自然をつけていても英名は元素名そのままで書かれている傾向がある。
元素鉱物に限った話ではないが、天然の産物である鉱物では、例えば自然金でも金が100%で構成されていることはまず無く、例えば銀、銅、水銀といった不純物を含む。特に銀とは自然銀と連続的に組成が変わるほどである。その場合、モル比で最も多い元素を鉱物名として名づける。例えば金が60%、銀が40%の割合ならば、名前は自然金となる。ただし、結晶構造が変わるならば、別種の鉱物となり独自の名前が付く。
元素鉱物に分類される鉱物で日本で初めて発見された新鉱物は、1974年に北海道で発見された自然ルテニウムと、1999年に大分県で発見されたパラ輝砒鉱である。また再定義により日本の産地が模式標本となったのは1991年に再定義された北海道のルテノイリドスミンである。
2012年、アントゾナイトと呼ばれる蛍石の変種中にフッ素の単体が含まれている事が発見された。[1]これは鉱物種としては認められていない[2]。
発見の報告はあるものの、存在が承認されていない元素鉱物も数多くあり、単一の元素で構成されたものでは自然ホウ素 (Boron)[3] 、自然フラーレン (Fullerite)[4] 、自然リン (Phosphorus)[5] 、三方チタン (Tetragonal Titanium)[6] 、自然マンガン (Manganese)[7] 、自然コバルト (Cobalt)[8] 、自然ニオブ (Niobium) [9] 、自然モリブデン (Molybdenum)[10] 、自然ヨウ素 (Iodiune)[11] 、自然タンタル (Tantalum)[12] 、自然レニウム (Rhenium)[13]がある。
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