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プレオンダクティルス (Preondactylus 「プレオーネの指」の意) は三畳紀後期(カーニアン後期からノリアン前期・およそ2億2800万年前[1])に現在のイタリアに住んでいた長尾型翼竜の1属である。現在のところ1種のみが知られている。
プレオンダクティルス | |||||||||||||||||||||||||||
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Preondactylus | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Preondactylus Wild, 1983 | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
プレオンダクティルス | |||||||||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||||||||
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Preondactylus buffarinii は1982年、イタリアアルプス・プレオーネ渓谷のウーディネ近郊で化石収集家のナンド・ブッファリーニ (Nando Buffarini) によって発見された[2]。
プレオンダクティルスは単冠歯(各歯に先端が一つしかない歯)を持つ[2]。食性は魚・昆虫のどちらか、またはその両方とされているが、その歯の構造がいずれの食性を指し示すのかについての議論はなおも進行中である。翼は短く翼開長は45cmしかない一方比較的長い尾を持つ。短い翼は翼竜にとっては「原始的な」形質であるが、プレオンダクティルスは充分に適応した飛行動物だった[3]。
ブッファリーニがプレオンダクティルスを発見した時、化石を含んでいる薄い瀝青質ドロマイト石灰岩が採集中にバラバラに割れてしまった。組み立ての後、母岩は彼ら夫妻によって水で洗われたが、泥灰土と共に骨も一緒に流されてしまった。母岩に残された印象からシリコンゴム製の鋳型模型が作られ、失われた化石の代わりにその後の研究に供されるようになった。骨格のほとんどの部分が残っていたが、頭骨の後半部は保存されていなかった[2]。この最初の標本 (MFSN-1770) が模式標本である。
それより以前の1978年にエンデンナのゾルツィーノ石灰岩から発見されケヴィン・パディアン (Kevin Padian) によって記載されていた3本の指節骨もこの属に属していると考えられている[3]。
1984年にバラバラになった骨格標本 (MFSN-1891) が同じ採集地の前回より150-200mほど深い地層で見つかった。この標本は、この翼竜を食べた肉食魚が排出した未消化物のペリットが化石化したものだと考えられている[2]。三畳紀翼竜に関する変異の多様性についての知見は増しているため、この標本をプレオンダクティルスとする同定は不確実である。
標本 (MFSN 25161) は頭骨の一部であり、下顎を欠いている。
この種は1984年にシュトゥットガルト自然史博物館のルパート・ヴィルト (Rupert Wild) によって記載され、命名された。属名はプレオーネ渓谷からつけられ、種小名は発見者のブッファリーニに献名されたものである。ヴィルトはこの種をランフォリンクス科に分類した[3]。ランフォリンクス科に属する非常に古い種としてはドリグナトゥスなどが知られていたが、プレオンダクティルスの形態はさらに原始的であることがすぐに判明した。デヴィッド・アンウィン (David Unwin) による分岐分析ではプレオンダクティルスを最も基底的な翼竜類とし、翼竜というクレードを定義するノードとして使われた。しかし、他の分析ではプレオンダクティルスをもう少し派生的な位置に置いている。
以下の系統発生分析は Upchurch et al. (2015)に従う[4]。
Eopterosauria |
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プレオンダクティルスの上顎の数本の歯 (標本番号: MFSN 25161)は鋭く尖り、縁には細かな鋸歯(serration/cutting edge)が確認されている[5]。同論文ではペテイノサウルスやエウディモルフォドンなどの基盤的な翼竜も取り上げられている。
1998年にホロタイプ(標本番号: 1770MFSN)の再調査が行われている[6]。
1989年の論文にて、プレオンダクティルスと思しき残骸を含む胃内容物(Gastric Pellet)が報告された。残骸中の長骨には噛み傷とされる損傷もあった。これが発掘されたイタリア・ドロミア・ディ・フォルニ層のロンバルディ脊椎動物相(Lombardy Vertebrate Fanua)からは、本種を捕食するような大型爬虫類(フィトサウルス類など)が発見されていない。よって本種を捕食したのはサウリクティスのような大型魚類だと考えられている[7]。 ただし2015年の研究では、かつて残骸中の標本に見られた特徴は翼竜固有のものではないと指摘されてもいる。論文中では他の爬虫類(プロトロサウルス類のランゴバルディサウルス)が新たな犠牲者として提案されている。こちらでもペレットを吐き出したのは大型魚類だと推測している[8]。
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