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ブラックパンサー (英: Black Panther) とは、マーベル・コミックのコミック作品に登場するスーパーヒーローである。シルバーエイジ期にライター・編集者のスタン・リーおよびライター・作画家のジャック・カービーによって創案され、『ファンタスティック・フォー』第52号(1966年7月)で世に出た。本名はティチャラ (T'challa) といい、アフリカにある架空の王国ワカンダの君主にして守護者である。ハート形のハーブを摂取する儀式によって強化された身体能力に加え、天才的な知性と厳しい鍛錬、格闘術、さらに国王として所有する先端技術や富を駆使して敵と戦う。ブラックパンサーは同じくヒーローであるストームと結婚したことでも知られているが、それぞれが所属するチームが対立したことから離婚に至った。
ブラックパンサーはアメリカのメインストリーム・コミックで初めてスーパーヒーローとなったアフリカ系のキャラクターである。『ジャングル・アクション』誌(第6 - 18号)で13号にわたって展開されたブラックパンサーのストーリーは、マーベル社で初めてグラフィックノベル形式で描かれた作品だと評されている。
ブラックパンサーとして活動したヒーローはティチャラだけではない。あるストーリーラインでは、ニューヨーク市の警察官だったマルチレイシャルのカスパー・コールがブラックパンサーを名乗った。コールは初め単なる模倣者であったが、後にホワイトタイガーの名を得てティチャラの盟友となった。またティチャラが重傷を負って活動できない間、その妹シュリがブラックパンサーとワカンダの指導者の役割を担った。
ブラックパンサーは数々のテレビ番組、アニメ映画、ビデオゲームに登場してきた。実写映画に登場したのは、チャドウィック・ボーズマンが演じた2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が最初である。2018年に公開される映画版『ブラックパンサー』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でもボーズマンが同役を演じる。これらの映画作品はすべてマーベル・シネマティック・ユニバースの一部である。IGNが2011年に作成した「コミックブック・ヒーロー・トップ100」リストではブラックパンサーが51位を占めた。
ブラックパンサーはアメリカのメインストリーム・コミックに初めて登場した黒人スーパーヒーローである。それ以前のコミックには黒人の主人公はいないも同然で、スーパーパワーを持つものに至っては皆無だった。数少ない黒人主人公を挙げると、まず一号限りで終わった少部数の『オール・ニグロ・コミックス (All-Negro Comics)』(1947年)の登場人物がいる。1950年代には、マーベル社の前身であるアトラス・コミックスが発行するオムニバス誌『ジャングル・テールズ (Jungle Tales)』で「バントゥの王子ワク (Waku, Prince of the Bantu)」という黒人主人公のストーリーが連載された。デル・コミックスの西部劇キャラクターであるロボは黒人として初めてコミックブックの主役となった。脇役についてはカリカチュア化されたキャラクターが多いが、それを除いても、Sgt. Fury and his Howling Commandos に登場するアメリカ陸軍歩兵ガブリエル・ジョーンズの例がある。
ブラックパンサーから数年遅れてデビューしたアフリカ系アメリカ人ヒーローには、マーベル・コミックスのファルコン(1969年)やルーク・ケイジ(1972年)、DCコミックスの三代目グリーンランタンことジョン・スチュワート(1971年)がいる。
「ブラックパンサー」の名が考案されたのは、1966年10月のブラックパンサー党結成よりも先である。とはいえ、ブラックパンサー党に影響を与えたLCFO[† 1]はそれ以前から黒豹のロゴを用いていた。また、第二次世界大戦中に人種隔離政策によって作られた黒人の戦車大隊(第761戦車大隊)はブラックパンサーズと呼ばれていた[1][2]。
ブラックパンサー党を連想させることを避けるため、『ファンタスティック・フォー』第119号(1972年2月)へのゲスト出演からブラックレパードへの改名が行われたが[† 2]、同年の『アベンジャーズ』第105号(1972年11月)で取り消された[3][† 3]。
ブラックパンサーを創案した一人であるスタン・リーは、その名に政治的な意図は一切なく、LCFOのロゴを参考にしたこともないと述べている[4]。実際に着想の元になったのは、黒豹を連れていたパルプ冒険小説の主人公だという[5]。ジャック・カービーによるオリジナルのコンセプトアートではコール・タイガー (Coal Tiger) という仮の名が使われていた[要出典]。
ブラックパンサーは『ファンタスティック・フォー』第52 - 53号(1966年7 - 8月)で初登場し、続いて『ファンタスティック・フォー・アニュアル』第5号(1967年)で再登場、さらに『テールズ・オブ・サスペンス』第97 – 100号(1968年1 - 4月)でキャプテン・アメリカと共演した。その後、アフリカに位置する架空の国家ワカンダからニューヨークに移住し、アメリカのヒーローチーム『アベンジャーズ』(第52号、1968年5月)に加入すると、数年にわたって同タイトルに登場した。アベンジャーズ在籍中、3号にわたって『デアデビル』誌に単独でゲスト出演したほか、『アストニッシング・テールズ』では、ドクター・ドゥームを主役とする短命に終わった連載ストーリーに登場した(第6 - 7号、1971年6 - 8月)。
ブラックパンサーは『ジャングル・アクション』誌の連載ストーリーで初めて主人公の座を得た。まず、ブラックパンサーが中心となった『アベンジャーズ』第62号(1969年3月)が『ジャングル・アクション』第5号(1973年7月)に再録され、次号(同年9月)から新しいシリーズの連載が始まった。ライターはドン・マクレガーが、ペンシラーはリック・バックラー、ジル・ケイン、ビリー・グラハムらが務めた。またインカーのクラウス・ヤンソンとボブ・マクラウドは同作がプロデビュー作となった。このシリーズは評論家から高く評価され[6]、同誌第24号(1976年11月)まで継続された。[7]
現在では一般化したが、一つのタイトルで数号にわたって長篇ストーリーを展開するフォーマットはマクレガーが始めたものである[8]。最初のストーリーアーク「豹の激情 (Panther's Rage)」は『ジャングル・アクション』の連載開始から13号かけて展開された。批評家ジェイソン・サックスは同作を「マーベル最初のグラフィックノベル」と呼んだ。
それまでの何年間かで、『スパイダーマン』や『ファンタスティック・フォー』ではすでに本当のキャラクター・アーク[† 4]が試みられていた。しかし … 初めから終わりまで完全なノベル(長篇小説)として作られたコミック作品は「豹の激情」が初めてだ。『ジャングル・アクション』(第6 - 18号)で2年間にわたって連載された「豹の激情」は、アフリカの国ワカンダの核心へと我々を誘う200ページの長篇小説である。ワカンダで荒れ狂う革命を受けて立つのはティチャラ王、ブラックパンサーその人だ。[8]
二つ目の長篇ストーリー「パンサー対クラン (Panther vs. the Klan)」は『ジャングル・アクション』第19-24号(1976年1-11月)に毎号17ページほどで連載され、その完結とともにシリーズは終了した(ただし第23号のみ、ブラックパンサーが登場した『デアデビル』第69号(1970年10月)が再録された)[7]。このストーリーがクー・クラックス・クランを扱っていたことは当時マーベル社内で問題視され、制作チームは難しい立場に立たされた[9]。
アフリカ系アメリカ人の著述家・編集者ドウェイン・マクダフィーは『ジャングル・アクション』誌の連載について以下のように述べた。
この傑作は今まで見落とされ、過小評価されてきたが、おそらく、複数話にわたるスーパーヒーロー物語の中で最も綿密に作られた作品だ。もし手に入れることがあれば … 座ってじっくり読み通してみるといい。これっぽっちも欠点が見つからない。どの号も、どのシーンも、全体の中で不可欠な役割を持っている。よし、それではもう一度、どの号でもいいので開いてみよう。そこには渾然と一体化した言葉と絵がある。キャラクターやその場の状況は明瞭に描写される。前号のまとめは簡潔だ(そこにあると気づかないことも)。登場人物の関係はあざやかに変化する。少なくとも一人のクールな新ヴィランがいる。主人公の技と心が試される衝撃のアクションシーンがある。そして、予定された文句なしの結末に向けて着実に進み続けるストーリーがある。これこそ我々コミック作家が毎月必ず生み出すべきものだ。ドン[・マクレガー]とその仲間は、毎号たったの17ページでこれをやってのけたのだ。[6]
『ジャングル・アクション』誌は大学生の間で人気を集めたが、全体として売り上げは低調であった[10]。マーベル社はブラックパンサーを個人タイトルで再出発させることに決め、キャラクター原案者のジャック・カービーをライター兼ペンシラー兼編集者に任じた。カービーは一時ライバル社のDCコミックスに移籍しており、このときマーベルに戻ったばかりだった。しかしカービーは新しいキャラクターを手掛けたいと望んでおり、すでに散々描いてきたキャラクターを主役とするシリーズをあてがわれたことを不満に思った[11]。カービーは早くも12号で同作を離れ、エド・ハニガン(ライター)、ジェリー・ビンガム(ペンシラー)、ロジャー・スターン(編集者)に後を任せた。最終的に『ブラックパンサー』第1シリーズ (vol. 1) は全15号で終刊した(1977年1月 - 1979年5月)[12]。同誌第16 - 18号に予定されていたストーリーは『マーベル・プレミア』第51 - 53号に掲載された。
80年代の終わりには『ブラックパンサー』第2シリーズが全4号のミニシリーズとして刊行された(1988年7 - 10月)[13]。ライターはピーター・B・ギリスが、ペンシラーはデニス・カーワンが務めた[14]。『ジャングル・アクション』版のライターであったマクレガーは、ジーン・コランとともに隔週のアンソロジー誌『マーベル・コミックス・プレゼンツ』に8ページ25回にわたってブラックパンサーのサーガを書き継いだ(第13 - 37号、1989年2-12月)[15]。後にマクレガーはドウェイン・ターナーの作画で平綴じ[訳語疑問点][† 5]のミニシリーズ『ブラックパンサー: パンサーズ・プレイ (豹の獲物)』を書いた(1990年9月 - 1991年3月)[16]。マクレガーは自らのサーガの5作目を「豹の誓い (Panther's Vows)」という題で構想していたが、日の目を見なかった[10]。
1998年には『ブラックパンサー』第3シリーズが開始され、全52号が発行された(1998年11月 - 2003年9月)。ライターはクリストファー・プリーストが、ペンシラーはマーク・テシェイラが務めた。同シリーズではエリック・キルモンガーやヴェノム (Venomm) など旧作「豹の激情」のキャラクターのほか、アメリカ国務省のエージェントであるエヴェレット・ロス、ブラックパンサーの義兄ハンター、被後見人クイーン・ディヴァイン・ジャスティスなどの新キャラクターが登場した。このシリーズは同年に設立された新しいインプリント「マーベルナイツ」から刊行されていた。プリーストによると、シリーズの原作を引き受ける大きな動機となったのはロスというキャラクターを生み出したことだという。「ロスを使えば、ブラックパンサーの神話に浸透しているアフリカ文化と、マーベルの対象層である白人読者の間のギャップを埋められると思った」[17]またプリーストは、マーベル社から軽視されていたブラックパンサーを、単身でファンタスティック・フォーを圧倒する謎めいた秘境の王という原点に戻そうとした[18]。
第3シリーズ終盤の13号(第50 - 62号)では、カスパー・コールというマルチレイシャルのニューヨーク市警察官が主役に抜擢され、ティチャラはそのサポート役に回された。コールは一時期ブラックパンサーを名乗ったが、後にホワイトタイガーという独立したヒーローとなり、第3シリーズ末期に並行して刊行されていた『ザ・クルー (The Crew)』にも登場した。『ザ・クルー』は全7号で打ち切りとなった。
2005年、マーベル社は『ブラックパンサー』を復活させ[19]、41号にわたって刊行を続けた(第4シリーズ、2005年4月 - 2008年11月)[20]。発刊時のライターはレジナルド・ハドリン(第38号まで)、ペンシラーはジョン・ロミータ・Jr(第6号まで)であった。ハドリンは「ストリートの感覚」を同タイトルに導入しようとしたが、必ずしも対象読者をアフリカ系アメリカ人に限定してはいないと述べた[21]。ハドリンが描くブラックパンサーに影響を与えたのは、バットマン、映画監督スパイク・リー、アーティストのショーン・コムズだという[21]。
『ブラックパンサー』第5シリーズは2009年2月に発刊された(2010年3月まで)[22]。ハドリンは再度スクリプトに起用され、ブラックパンサーの称号の継承者としてティチャラの妹シュリを登場させた[23][24][25]。第7号でハドリンはジョナサン・マベリーと共同でライティングを行い[26]、次号以降はマベリーがライターを務めた。このとき作画もウィル・コンラッドに変更された。またドクター・ドゥームを中心とした全6号のミニシリーズ『ドゥームウォー (Doomwar)』でもブラックパンサーがファンタスティック・フォーやX-MENを従えて主役を務めた[27]。
その後、ティチャラはマット・マードック(デアデビル)からの誘いを受けてニューヨーク市のヘルズ・キッチンで犯罪と闘う役目を引き受けた。これにともない『デアデビル』誌は第513号(2011年2月)からブラックパンサーを主役に迎えて『ブラックパンサー: マン・ウィズアウト・フィアー[† 6]』と改題した。ライターはデイヴィッド・リス、作画はフランチェスコ・フランカヴィッラが務めた。
2016年、タナハシ・コーツ(ライター)とブライアン・ステルフリーズ(作画)による『ブラックパンサー』新シリーズが発刊され、ヘッド・ライターのコーツの下で現在まで刊行が続けられている[28][29][30]。2017年には、アフロフューチャリズムの作家ネディ・オコラフォの原作で『ブラックパンサー:ロング・リブ・ザ・キング』が刊行された[31]。
「ブラックパンサー」とは、アフリカの先進国ワカンダ (Wakanda) に住むパンサー族の族長が持つ儀礼的な称号である。この称号を持つ者は国を治めるだけではなく、「ワカンダ人」と総称される様々な部族の長とみなされる。黒豹の装束は国家元首の地位の象徴であり、外交行事の際にも着用される。称号は世襲制だが、試練を経なければ相続することはできない。
遠い昔、振動を吸収する性質を持つ希少な鉱物ヴィブラニウムからなる隕石がワカンダに落下した。この価値ある資源が外国人に搾取されることを懸念したティチャカ (T'Chaka) 王は、父祖のパンサーたちと同様に外部の世界との交流を断った。ティチャカの先妻ヌヤミ (N'Yami) はティチャラ (T'Challa) を産み落とすとともに亡くなり、後妻ラモンダは故郷の南アフリカに赴いたとき人質に取られたため、幼いころのティチャラはもっぱら父によって育てられた[32]。ティチャカはヴィブラニウムの小山を奪おうとした探検家ユリシーズ・クロウによって殺害された。国民を守るため、若きティチャラはクロウの音波兵器を逆用して一味を撃退した。クロウはこのとき右腕を吹き飛ばされた。[33]
ティチャラはワカンダの王位とブラックパンサーの称号を継承する第一の地位にいたが、当面の代理として叔父のスヤン (S'yan) がブラックパンサーとなった。ティチャラはワカンダ文化における通過儀礼であるウォークアバウト(遍歴)を行っている間、孤児と見られる少女オロロ・マンローと出会い、恋に落ちた[34]。マンローは後にX-MENに加わってストームと名乗ることになる[35]。父の復讐を遂げ、ワカンダの指導者にふさわしい人物になろうというティチャラの望みが障害となり、交際は長くは続かなかった。しかし二人は年月を経た後に再会することになる。
ティチャラはワカンダの各部族を代表する闘士を打ち負かし、ブラックパンサーの称号を勝ち取った。まず取り掛かったのは、ワカンダの秘密警察Hatut Zerazeの解体と、その長官で義兄でもあるハンター・ザ・ホワイトウルフの追放であった[36]。ティチャラは少量のヴィブラニウムを各国の研究機関に売却して巨額の資金を得ると、自分のために技術の粋を尽くした装備を作製した[33]。その後、国内の平和を保つため、反目し合う部族の中から優秀な女性を選び出し、儀礼上の花嫁候補からなる親衛隊ドラ・マラジェ(Dora Milaje、「敬愛される者たち」)を設置した。一時期は王としての務めを中断して海外に留学していた。
成人したティチャラはアメリカのヒーローチームファンタスティック・フォー(FF)をワカンダに招くと、メンバーを一人ずつ襲って拘束し、自分にクロウと戦う力が備わったか試そうとした。クロウは今や失った右腕の代わりに音波兵器を移植してスーパーヴィランとなっていた[37][38]。FFはティチャラから正式な謝罪を受けて友情を結び、クロウへの復讐を助けた。その恩を返すため、FFがスーパーヴィランのサイコマンと戦ったときに助力した[39]。やがてアベンジャーズに加入したが[40]、その裏には、アメリカの超人たちがワカンダの脅威となるかどうかを見極めようという意図があった[41]。アベンジャーズ在籍時、宿敵の一人となるマン=エイプと初めて戦い[42]、その後アメリカ人の歌手モニカ・リンと出会って恋愛関係を持った[43]。アベンジャーズとともに2代目サンズ・オブ・ザ・サーペントを倒した際、アメリカのテレビで自分の正体を明かした[44]。またデアデビルとも親交を持った[45]。
やがてブラックパンサーはアベンジャーズの正メンバーから退き、リンを伴って内戦勃発の危機にあったワカンダへ帰国した。王位簒奪をもくろむエリック・キルモンガーとその手下を打ち破ると[46]、次にアメリカ南部に乗り込んでクー・クラックス・クランと戦った[47]。
あるときティチャラは、時間を越える魔力を持つ呪具「ソロモン王の蛙」を手に入れた[48]。蛙の力により、10年後の未来のティチャラが現在に出現した。未来のティチャラは陽気な性格でテレパシー能力を身につけていたが、危険な状態の脳動脈瘤を持っていることがわかり、現代のティチャラによって人工冬眠状態に置かれた。
ティチャラは養母ラモンダを探すためアパルトヘイト制度下の南アフリカに渡り、当局と対立した[49]。あるときティチャラはモニカ・リンに求婚し、二人は婚約したが[50]、結婚には至らなかった。
数年が経過し、ブラックパンサーはワシントンから使節エヴェレット・ロスの派遣を受けた。ワカンダの統治を巡って多くの苦難に直面する中で、ロスは何度もブラックパンサーの力になった。恩義を感じたブラックパンサーも危険を冒してロスを助けた。二人が協力して対処に当たった最初の脅威は、諜報組織「Xcon」の支援を受けたアチェベ師による政府転覆の陰謀であった[51]。それに続き、キルモンガーが再び姿を現してワカンダ経済を破壊しようと企んだ。これに対処するため、ティチャラは外資系企業を国有化することを余儀なくされた[52]。キルモンガーは戦いの儀式でティチャラを打ち負かし、ブラックパンサーの地位を奪い取ったが[53]、ハート形のハーブを摂取したために昏睡状態に陥った。このハーブはブラックパンサーの超人的な能力の源だが、遺伝的に免疫を持つ王族以外には毒だった[54]。ティチャラは旧敵キルモンガーが死ぬに任せることもできたが、命を救った。
その後、ティチャラは未来から来た自分と同じく脳動脈瘤を発症し、情緒不安定と幻覚に苛まされた。自らの精神状態により部族間の戦争が勃発することを辛くも防いだブラックパンサーは、長老会議に王権を委ねてニューヨークに身を潜めた[55]。そこで彼は、捨てられたブラックパンサーのコスチュームを自らのものにした警察官カスパー・コールを教え導くことになる。ティチャラはこの経験を通じて病と闘う力を取り戻し、王位に復帰するとともに再びアベンジャーズの正メンバーとなり、アベンジャーズが国連の特権を得るのに貢献した。
アメリカ政府はヴィブラニウムを入手するために政治的な謀略を行っていた。当局の意を受けたクロウはヴィランの傭兵部隊を集め、ワカンダの隣国である全体主義国家ニガンダを支援する。ニガンダ軍の侵攻が始まると、アメリカ政府はティチャラを援助すると称してサイボーグ兵士デスロックの部隊を派遣し、侵略の足掛かりにしようとする。しかしティチャラはクロウを撃退し、ストームとなったかつての恋人オロロがハリケーンを起こしてデスロック部隊を掃討した[56]。
オロロはアフリカとアメリカで生き別れになっていた家族と再会し、ティチャラはそれを助ける[57]。直後にティチャラは彼女に求婚し、多くのスーパーヒーローを招いてワカンダ式の盛大な結婚式を挙げる[58]。新王妃と王は結婚早々に、インヒューマンズ王家、ラトベリア王ドクター・ドゥーム、アメリカ大統領、アトランティス王ネイモアへの外交旅行を行った[59]。「シビル・ウォー」の気運が高まり、スーパーヒューマン登録法賛成派の手によってビル・フォスター(ブラック・ゴライアス)が死亡すると、ブラックパンサーとストームはキャプテン・アメリカの登録法反対派に加わる[60]。両派の最終決戦によってマンハッタンのワカンダ大使館は大破したが、ワカンダ人に死傷者は出なかった[61]。抗争終結後、休暇を取ったリチャーズ夫妻に代わってストームとともにファンタスティック・フォーに一時加入した[62]。
ストームがニューヨークでX-MENとして活動する間、一人で帰国したティチャラはエリック・キルモンガーの挑戦を受け、モニカ・ランボー(パルサー)の助力を受けて打ち破った[63]。その後、地球を征服する「シークレット・インベージョン」計画の下でワカンダに侵入していた変身宇宙人スクラルを退けた[64]。
ネイモア王はティチャラをスーパーヴィランの秘密クラブであるカバルに勧誘しようとする。カバルの一員であったドクター・ドゥームの軍勢の襲撃を受け、ティチャラは昏睡状態に陥った[65]。ティチャラの妹シュリは次代のブラックパンサーになるべく訓練を受ける。意識を取り戻したティチャラは回復に専念し、ブラックパンサーの称号を正式にシュリに譲位した[66]。
この事件の結果、ブラックパンサーの化身として与えられていた能力をすべて失ったティチャラは、旧知の妖術師ザワヴァリの力を借りて新たな能力を得ようとする[67]。ティチャラは未知の豹神と契約を交わし、以前と同じ能力をさらに伸ばすともに、精霊を自らの体に宿すことで魔法的・霊的な攻撃にかなりの程度耐えられるようになった。これは目前に迫ったドクター・ドゥーム戦への備えであった[68]。ドゥームとの戦いのクライマックスにおいて、ティチャラは奪われていた精錬ヴィブラニウムをすべて不活性化させた。これによりワカンダ国民もヴィブラニウムに依存することができなくなったが、再建への道は残された[69]。
「シャドウランド」事件の後、マット・マードック(デアデビル)はティチャラに対し、自らに替わってヘルズ・キッチンの守護者となるように頼む。これはティチャラにとって自己再発見の機会でもあった。ティチャラはマードックの友人である弁護士フォギー・ネルソンの計らいによってコンゴ移民ミスター・オコンクォ (Okonkwo) の身分を手に入れ、地域住民と交流して情報を得るためにダイナーを開いた。ティチャラは暗黒街を牛耳った「串刺し公」ヴラド・ディヌと敵対する[70]。
デアデビルがヘルズ・キッチンに復帰した直後にティチャラは帰国し、妹シュリを補佐する役に就く。「アベンジャーズ vs X-MEN」のストーリーラインで、豹神はワカンダへの侵攻に備えるためにティチャラの能力を回復させた[71]。しかし、フェニックス・フォースを得たネイモアは巨大な津波を起こしてワカンダを壊滅させる[72]。ブラックパンサーは怒りにまかせて、駆け付けたストームに対して婚姻を解消すると告げる[73]。
ワカンダ上空にもう一つの地球が出現し、ブラックスワンと名乗る女性によって破壊される事件が起きる。これを目撃したティチャラは、スーパーヒューマンの秘密結社イルミナティを再招集し、多数の平行宇宙が互いに衝突して消滅する「インカージョン」現象に対処しようとする[74]。別の平行世界の地球を破壊して衝突を回避するため大規模兵器を調達したイルミナティだったが、メンバーの多くは無差別殺戮に手を染めることに躊躇する。業を煮やしたネイモアはチームを離れ、ヴィランの結社カバルを再結成した。カバルは「地球の守護者」としてほかの地球をいくつも破壊していく。やがてネイモアは罪悪感に耐えられなくなり、イルミナティと共謀して、次のターゲットである地球にカバルのメンバーを閉じ込めてもろともに破壊しようと企む。しかしブラックパンサーとブラックボルトはネイモアをも爆死させようとする[75]。ネイモアとカバルは寸前で第3の地球(アルティメット・マーベル・ユニバース)へと逃れる[76]。
最後のインカージョンが起きた。ブラックパンサーは特製の救命ポッドで宇宙へ脱出できたわずかなヒーローの一人であった。彼らが休眠から目覚めると、そこは多くの平行世界が一つに収束した「バトルワールド」であった[77]。新世界の神皇帝を名乗るドクター・ドゥームが圧倒的なパワーで立ちふさがるが、ヒーローたちはドクター・ストレンジの助けによってバトルワールド各地に落ち延びる[78]。ティチャラは「死者たちの王」としての能力を用い、デッドランドのゾンビたちを配下としてドゥームの城に向けて進軍する。同時に各地でドゥームへの叛乱が起きる[79]。ティチャラはストレンジが組み上げたインフィニティ・ガントレットを用いてドゥームと戦いを繰り広げるが、それは陽動であった。ミスター・ファンタスティックはドゥームを出し抜き、その力の源を奪ってマルチバース(多数の平行世界からなる宇宙)を再生させる。故郷に帰還したティチャラが見上げる空には、ワカンダ初のロケットが飛翔していた。ティチャラは若い国民たちに向かい、新しい探究の始まりを宣言する[80]。
「シークレットウォーズ」後に再編された「オールニュー・オールディファレント・マーベル」ラインでは、ブラックパンサーはアルティメッツの一員となった[81]。
「シビル・ウォーII」のストーリーラインでは、ブラックパンサーはワカンダ代表としてアルファフライト・スペースプログラムの理事会に席を占めた[82]。潜在的な未来を予知する能力を持つインヒューマン、ユリシーズ・ケインを巡ってヒーローの間に対立が起きると、まだ起きていない犯罪を未然に対処することを肯定するキャプテン・マーベルの側についた。
ブラックパンサーとシュリは宇宙怪物の集団リヴァイアソン・タイドが地球を襲う事件にも参戦した[83]。
アーニム・ゾラ、バロン・ジーモ、スティーブ・ロジャーズ(初代キャプテン・アメリカ)らに率いられたヒドラが地球を支配下に置くと、ブラックパンサーは体制への反抗の咎で拘禁される。ウィンター・ソルジャーに救い出されたブラックパンサーはロジャーズとゾラを追って秘密の研究所に侵入する。そこでは、ゾラがスターク社から盗み出した技術を用い、キャプテン・アメリカを洗脳してコズミック・キューブと一体化させたことが明らかになった[84]。ウィンター・ソルジャー、キャプテン・アメリカ(サム・ウィルソン)、アントマン(スコット・ラング)らは、策略としてロジャーズにコズミック・キューブの最後のかけらを渡す。ウィンター・ソルジャーとアントマンはロジャーズがキューブを完全に使いこなせないうちにそれを奪い取り、本物のスティーブ・ロジャーズを再生させる[85][86]。
その後、ブラックパンサーは国民とともに宇宙探査の旅に出て、ベンハジン星系の惑星バストにワカンダ間銀河帝国を建国する[87]。
「ブラックパンサー」の称号は公の地位で、ワカンダのパンサー・クランの族長を意味する。族長は特別なハート形のハーブを服用する資格を持つ。ブラックパンサーはこのハーブによって五感や筋力・素早さ・敏捷性・スタミナ・耐久力・回復力・反射神経が超人的に強化されるほか、ワカンダの豹神バスト (Bast) とシャーマン的な交信を行うことができる[88][89]。
その後、ワカンダの豹神とのつながりは失われたが、もう一柱の豹の神格からの加護を受け、肉体強化と魔術への耐性を授けられた[68]。特に感覚は数万体の獲物の臭いを嗅ぎ分けて追跡できるほど強力である。ドゥームとの戦争を経て再び能力を失ったが、その後豹神とのつながりを結び直した[71]。今や肉体能力が人間を超えるレベルにまで高められたのみならず、「死者たちの王」としての霊的能力を身につけ、祖先のブラックパンサーすべての能力と知識を駆使したり、ゾンビのような死者を支配することができるようになった[90]。
ティチャラは旧知の妖術師ザワヴァリの力を借りて魔術的な攻撃や探知を無効化する能力を身につけた。また魔術と科学を組み合わせて「暗影物理学」という強力な術を編み出した。これにより影を武器として使用したり、量子レベルでヴィブラニウムの追跡を行うことができるようになった。
ワカンダの君主であるブラックパンサーは、国が所蔵する大量の魔法的な物品や、ワカンダが誇る先端技術や兵器を自由に使うことができるほか、科学者、戦士、霊媒師などの多彩な人材を部下に持つ。ワカンダ軍は地球で最も強力な軍隊の一つに数えられている。ブラックパンサーの装束はヴィブラニウム製で、豹神によって祝福されている。
ティチャラは熟練した狩人であり、追跡の技に優れ、戦略家・政治家・発明家・科学者としても傑出している。オックスフォード大学では物理学を専攻して博士号を得た。地球上で最も知能の高い8人のうちの1人に数えられ[91]、物理学と先端技術の分野に通じた天才であり、才気あふれる発明家でもある。また歴代のブラックパンサーの霊から技能や知識を借りることもできる[71]。
ティチャラは体術と格闘術の厳しい訓練を受けている。様々な武術流派を学んでおり、体術と動物の形態模写を取り入れた独自の戦闘スタイルも身につけている[92]。
ワカンダのパンサー・クランの族長は世界でもっとも裕福な人間の一人であるが、ワカンダが世界経済から隔離されていることと、膨大なヴィブラニウム埋蔵量や先端技術を評価するのが困難なことから、財力を見積もるのは困難である[93]。
『ブラックパンサー』第3シリーズにおいて、ライターのクリストファー・プリーストはブラックパンサーが携行する装備品を多数作りだした。「エネルギー・ダガー」、ヴィブラニウムを織り込んだスーツ、「キモヨ・カード」と呼ばれる携帯スーパーコンピュータなどである[94]。第4シリーズのライター、レジナルド・ハドリンは「スライス・ブレスト・アーマー」や「ライト・アーマー」など特定の任務に合わせた特殊装備を登場させた。また短期間だが、ブラックナイトの愛剣であるエボニー・ブレードをブラックパンサーに使用させたこともある。[要出典]
コミックファン雑誌『ウィザード』はコミックキャラクターのランキングでブラックパンサーを第79位に挙げた[96]。IGNはブラックパンサーをコミックヒーローのランキングで第51位に挙げ、マーベルのバットマンと呼ばれてもおかしくないと述べた[97]。また「アベンジャーズのメンバートップ50」では第10位に挙げた[98]。コミックスアライアンスは2013年に「セクシーな男性コミックキャラクタートップ50」の第33位にブラックパンサーを挙げた[99]。
ジャーナリストのジョー・グロスはクリストファー・プリーストによるブラックパンサーの描写を称賛した。「象徴的なキャラクターでありながら活用されずにいたブラックパンサーは、錯綜した息もつかせぬ物語の焦点へと祭り上げられた。プリーストはただ、彼を当然の方向へ導いただけだ。ティチャラ(主人公)は謎めいた国家君主で、技術的には先進国だが外への警戒心が強いアフリカの国を治めている。彼はまさにその通りに振る舞う」グロスはまた、同シリーズの「尽きぬ機知、明快なキャラクター、洗練された語り、鮮烈な大ゴマ」に賛辞を送った。[100]
その一方で、コミック批評家でジャーナリストのマイク・サンジャコモは物語の構成に批判を加えた。「クリストファー・プリーストの取り散らかった書き方が神経に触るようになってきた。 … 私は『ブラックパンサー』を評価したいのだが、わざわざ物語を込み入らせようとするプリーストのアプローチは馬鹿げているとしか思えない。一つのスタイルではあるのだろうが、毎号そうしなければならないのか?」[101]
『ガゼット』紙の記者ビル・ラドフォードも同シリーズの発刊に際して同様の懸念を表している。「平凡な一般人 [エヴェレット・ロス] の目から見たブラックパンサーという構想は高く評価するが、そのせいで主人公のパンサーが二次的な役割に追いやられてしまっている。そしてロスの語りは時系列があちこち飛び過ぎる。部下から報告を受けながら、もっとちゃんと喋れと叱っている上司のような気分だ。「『パルプ・フィクション』を逆回しで観ているみたいよ。頭が破裂しそう」」[102]
書評誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』は、ブラックパンサーのオリジンを現代的に語り直した最初のストーリー「ブラックパンサーは誰なのか? (Who Is the Black Panther?)」に否定的な評価を与えた。「ハドリンの書きぶりは二兎を追うものだ。最近のブラックパンサーが好きだったファンはハドリンの大げさな語り口を好まないだろうし、かといって一般の読者を引き付けるには難解なマーベル世界の設定を盛り込み過ぎだ。プロットは複雑に入り組んでいるものの、まったく引きこまれない」[103]
ジャーナリストのショーン・ジェフォーズは、第4シリーズ第1号で主人公のティチャラが活躍しなかったことを「印象に残らない開幕」と評し、さらに主人公が一般の読者に認知されていないことがシリーズの成功を阻んでいると述べた。「ブラックパンサーはこれまでマーベルの看板キャラクターだったことはないし、これからそうなるのは相当難しいだろう」[104]
2010年代のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で初めて映画化された。MCUではチャドウィック・ボーズマンがブラックパンサーを演じる。役名の表記はティ・チャラである。
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Marvel Masterworks: Black Panther Volume 1 | Jungle Action #6–24 | 2010 | ISBN 978-0785141990 |
Marvel Masterworks: Black Panther Volume 2 | Black Panther #1–15, Marvel Premiere #51–53, back-up story from Marvel Team-Up #100 | 2016 | ISBN 978-1302900205 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther Epic Collection Volume 1: Panther's Rage | Fantastic Four #52–53, Jungle Action #6–24 | 2016 | ISBN 978-1302901905 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther by Jack Kirby Volume 1 | Black Panther #1–7 | 2005 | ISBN 978-0785116875 |
Black Panther by Jack Kirby Volume 2 | Black Panther #8–13 | 2006 | ISBN 978-0785120698 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther Vol. 1: The Client | Black Panther Volume 3 #1–6 | 2001 | 978-0785107897 |
Black Panther Vol. 2: Enemy of the State | Black Panther Volume 3 #7–12 | 2002 | 978-0785108290 |
Black Panther by Christopher Priest: The Complete Collection Volume 1 | Black Panther vol. 3 #1–17 | 2015 | 978-0785192671 |
Black Panther by Christopher Priest: The Complete Collection Volume 2 | Black Panther vol. 3 #18–35, Deadpool Vol. 3 #44 | 2015 | 978-0785198116 |
Black Panther by Christopher Priest: The Complete Collection Volume 3 | Black Panther vol. 3 #36–49, #57–58; Incredible Hulk vol. 3 #33; Thor vol. 1 #370 material from Marvel Double-Shot 2 |
2016 | 978-0785195085 |
Black Panther by Christopher Priest: The Complete Collection Volume 4 | Black Panther vol. 3 #50–56, #59–62; The Crew 1–7 | 2016 | 978-1302900588 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther: Who is the Black Panther? | Black Panther vol. 4, #1–6 | 2006 | 978-0785120483 |
Black Panther by Reginald Hudlin: The Complete Collection Vol. 1 | Black Panther vol. 4, #1–18, X-Men Vol. 2 #175–176 | 2017 | 978-1302907716 |
House of M: World of M Featuring Wolverine | Wolverine vol. 3 #33–35, Black Panther vol. 4 #7, Captain America vol. 5 #10, The Pulse #10. |
2006 | 978-0785119227 |
X-Men/Black Panther: Wild Kingdom | Black Panther vol. 4, #8–9, X-Men vol. 2 #175–176 | 2006 | 978-0785117896 |
Black Panther: Bad Mutha | Black Panther vol. 4, #10–13 | 2006 | 978-0785117506 |
Black Panther: The Bride | Black Panther vol. 4, #14–18 | 2006 | 978-0785121077 |
Black Panther: Civil War | Black Panther vol. 4, #19–25 | 2007 | 978-0785122357 |
Black Panther by Reginald Hudlin: The Complete Collection Vol. 2 | Black Panther vol. 4, #19–34, Annual Vol. 4 #1 | 2018 | 978-1302909475 |
Black Panther: Four the Hard Way | Black Panther vol. 4, #26–30 | 2007 | 978-0785126553 |
Black Panther: Little Green Men | Black Panther vol. 4, #31–34 | 2008 | 978-0785126577 |
Black Panther: Back To Africa | Black Panther vol. 4, #35–38, Annual #1) | 2008 | 978-0785124528 |
Black Panther by Reginald Hudlin: The Complete Collection Vol. 3 | Black Panther vol. 4, #35–41, Black PantherVol. 5 #1–6, Black Panther/Captain America: Flags of Our Fathers 1–4, Black Panther Saga | 2018 | 978-1302910358 |
Black Panther: Secret Invasion | Black Panther vol. 4, #39–41 | 2008 | 978-0785133971 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther: The Deadliest of the Species | Black Panther vol. 5, #1–6 | 2009 | 978-0785133421 |
Black Panther: Power | Black Panther vol. 5, #7–12 | 2010 | 978-0785138617 |
Doomwar | Doomwar #1–6 | 2011 | 978-0785147152 |
Black Panther: Doomwar | Black Panther vol. 5, #7–12, Doomwar #1–6, Klaws of the Panther #1–4, Material from Age of Heroes #4 | 2017 | 978-1302904166 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther: The Man Without Fear: Urban Jungle | Black Panther: The Man Without Fear #513–518 material from the X-Men Curse of the Mutants Spotlight |
2011 | 978-0785145233 |
Black Panther: The Man Without Fear: Fear Itself | Black Panther: The Man Without Fear #519–523, Black Panther: The Most Dangerous Man Alive #524 | 2012 | 978-0785152064 |
Black Panther – The Most Dangerous Man Alive: The Kingpin of Wakanda | Black Panther: The Most Dangerous Man Alive #523.1, 525–529 | 2012 | 978-0785160373 |
Black Panther: The Man Without Fear – The Complete Collection | Black Panther: The Man Without Fear #513–523, Black Panther: The Most Dangerous Man Alive #523.1, 524–529 | 2018 | 978-1302907723 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | ISBN |
---|---|---|---|
Black Panther: A Nation Under Our Feet Book 1 | Black Panther' Vol. 6 #1–4, Fantastic Four Vol. 1 #52 | 2016 | 978-1302900533 |
Black Panther: A Nation Under Our Feet Book 2 | Black Panther Vol. 6 #5–8 | 2017 | 978-1302900540 |
Black Panther: A Nation Under Our Feet Book 3 | Black Panther Vol. 6 #9–12 | 2017 | 978-1302901912 |
Black Panther Book 4: Avengers of the New World Book 1 | Black Panther Vol. 6 #13–18 | 2017 | 978-1302906498 |
Black Panther Vol 1 | Black Panther Vol. 6 #1–12 | 2017 | 978-1302904159 |
Black Panther: World of Wakanda | Black Panther: World of Wakanda #1–6 | 2017 | 978-1302906504 |
Black Panther & the Crew: We Are the Streets | Black Panther & the Crew #1–6 | 2017 | 978-1302908324 |
書名 | 収録号 | 刊行年 | 出版社 | ISBN |
---|---|---|---|---|
ブラックパンサー:暁の黒豹 | Black Panther Vol. 4 #1-6 Fantastic Four Vol. 1 #52-53 |
2016 | 小学館集英社プロダクション | ISBN 978-4796875905 |
ブラックパンサー:シビルウォー | Black Panther Vol. 4 #19-25 | 2016 | ヴィレッジ・ブックス | ISBN 978-4796875905 |
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