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ビートルズの楽曲 ウィキペディアから
「バースデイ」(Birthday)は、ビートルズの楽曲である。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にポール・マッカートニーによって書かれた楽曲で、ジョン・レノンも一部手伝ったとされている。1968年に発売された9作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録された。1990年にマッカートニーによるライブ演奏がシングルとして発売され、全英シングルチャートで最高位29位を記録。
「バースデイ」の大半は、1968年9月18日にEMIレコーディング・スタジオで行われたレコーディングセッションで、レノンとマッカートニーの2人によって書かれた。歌詞についてマッカートニーは「あれは50対50でジョンと僕。誰かの誕生日だったのか記憶にないけど、あれをやったもうひとつの理由は、クリスマスや誕生日がらみの曲があると、その曲の寿命が長くなることだった。もしそれが良い曲なら、みんなが誕生日会で歌ってくれるからね」と語っている[3]。また、1994年のインタビューでは「僕らは何か作ってみようと思ったんだ。それからリフを作って、このリフを中心にアレンジしたんだよ。これはジョンと僕の半々でその場で作って、その日の夜に録音したんだ」と語っている[4]。
本曲のセッションが行われた同日の21時5分からBBCで、1957年初頭にイギリスで公開された音楽映画『女はそれを我慢できない』の放送が予定されていた[5]。マッカートニーはこの映画を「どうしても見たかった」と語っており、マッカートニーをはじめとするメンバーとスタッフは、同日の17時からレコーディングを開始し、マッカートニーの自宅で映画鑑賞を行うために一旦セッションを中断。鑑賞後、再びスタジオに戻り、セッションを再開した[3]。歌詞は鑑賞後スタジオに戻ってから考えられたもので、マッカートニーは「前もっては全然考えていなかった歌詞だし、それもあって僕のお気に入りの一つになっている」と語っている[3]。
本曲に関して、レノンは1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで「ポールは50年代のヒット曲の『Happy, Happy Birthday Baby』みたいな曲を書こうとしていたんだと思う[3]。ゴミみたいな曲だよ」と批判している[6]。
「バースデイ」のレコーディングは、1968年9月18日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で行われた[3]。ベーシック・トラックは、20テイク(演奏ミスや中断したテイクも含む)で録音された[3]。ベーシック・トラックを録音した4トラック・レコーダーのトラック1にレノンのエレクトリック・ギター、トラック2にリンゴ・スターのドラム、トラック3にマッカートニーのベース、トラック4にジョージ・ハリスンのエレクトリック・ギターが録音されており、テープ・ボックスにもこのように記されていた[3]。マッカートニーのドラムのブレイク部分で、ギターが再び入って来るミドル・セクションまでの8小節をカウントした[3]。
オーバー・ダビング用にテイク19が使用され、8トラック・レコーダーに移し替えられたのち、トラック6にタンバリン、トラック7と8にスターとマル・エヴァンズの手拍子がバックとしたレノンとマッカートニーのボーカルが録音された[3]。なお、サビの「Birthday」というコーラスは、後にレノンの妻となるオノ・ヨーコと当時のハリスンの妻であるパティ・ボイドが歌った[3]。
その後、トラック5に追加のタンバリンとスネアドラム、ピアノが録音された。なお、ピアノの音は、エンジニアのケン・スコットのアイデアによりヴォックス製のギター・アンプとスピーカー・キャビネットに通された[3]。
2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉』のCD6にテイク2が収録された[3]。この音源において、レノンのギターはステレオ音像の左寄りに、ハリスンのギターは右寄りに配置されている[3]。
「バースデイ」でメンバーが担当した楽器については、いくつか論争が起きている。音楽評論家のイアン・マクドナルドは、2005年に出版した著書『Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties』で、リードギターを演奏したのはマッカートニーとレノンで、ベース(6弦ベース)を演奏したのはハリスンとしている[7]。作家のブルック・ハルピンは、リードギターを演奏したのはレノンで、ベースを演奏したのはハリスンとしている[8]。
以下、「誰が何をプレイしていたかに関する、一部の神話を完全に打ち砕く」テープ・ボックスの注釈をもとに、ケヴィン・ハウレットが提示したクレジットを記載する[3]。
「バースデー」 | ||||||||||
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ポール・マッカートニー の シングル | ||||||||||
初出アルバム『ポール・マッカートニー・ライブ!!』 | ||||||||||
B面 | グッド・デイ・サンシャイン | |||||||||
リリース | ||||||||||
規格 | ||||||||||
録音 |
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ジャンル | ロック | |||||||||
時間 | ||||||||||
レーベル | ||||||||||
作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | |||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||
後述を参照 | ||||||||||
ポール・マッカートニー シングル 年表 | ||||||||||
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ポール・マッカートニーは、イギリスで1990年10月8日にライブ音源をシングルとして発売した。アメリカでは8月16日にシングル・カセットで発売された。翌月に発売されたライブ・アルバム『ポール・マッカートニー・ライブ!!』にも収録された本作は、全英シングルチャートで最高位29位[9]、イタリアのシングルチャートで最高位3位を記録した[10]。
日本でも1990年11月9日に8センチシングルが発売された。なお、邦題はビートルズ版が「バースデイ」となっているのに対し、こちらでは「バースデー」となっている[11]。
シングルのB面には、同じくビートルズ時代のセルフカバー曲「グッド・デイ・サンシャイン」のライブ音源が収録され、マキシシングルと8センチシングルにはこのほかに「P.S.ラヴ・ミー・ドゥ[注釈 1]」と「幸せのノック」のライブ音源も収録された。
また、2010年7月7日、アメリカのラジオシティ・ミュージックホールで行われた70歳の誕生日を迎えたスターのバースデーライブにマッカートニーが飛び入り参加。本曲を二人で披露した[12]。
収録曲の作詞作曲は「幸せのノック」を除き、レノン=マッカートニー。
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「バースデー」(Birthday) | ||
2. | 「グッド・デイ・サンシャイン」(Good Day Sunshine) | ||
3. | 「P.S.ラヴ・ミー・ドゥ」(P.S. Love Me Do) | ||
4. | 「幸せのノック」(Let 'Em In) | ポール・マッカートニー | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「バースデー」(Birthday) | ||
2. | 「グッド・デイ・サンシャイン」(Good Day Sunshine) | ||
合計時間: |
チャート (1990年) | 最高位 |
---|---|
ヨーロッパ (Eurochart Hot 100)[13] | 75 |
イタリア (Musica e dischi)[10] | 3 |
オランダ (Single Top 100)[14] | 68 |
UK シングルス (OCC)[9] | 29 |
US Mainstream Rock (Billboard)[15] | 35 |
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