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ネコ目に属する科のひとつ ウィキペディアから
ネコ科(ネコか、Felidae)は、哺乳綱食肉目に分類される科。イエネコ、ヤマネコ、ライオン、トラ、ヒョウ、チーター、サーベルタイガーなどが含まれる。
耳介は大型で漏斗状をしており、集音効果に優れている[4]。眼は大型で、立体視ができ色覚もある[4]。瞳孔は調節する筋肉が作用し、明るさの変化への順応が早い[4]。網膜の感覚細胞の後部に反射層(輝板、タペタム)があり、これにより光が感覚細胞を透過せず反射することで2回刺激され、暗所でも適応できる。暗所でネコの眼にわずかでも光が当たると光るのは、この輝板の反射による[4]。
歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上顎6本・下顎4本、大臼歯が上下2本と、計30本の種が多い(オオヤマネコ類・マヌルネコなどは上顎の小臼歯が4本のため計28本)[4]。犬歯は大型で(ウンピョウで顕著)、獲物に噛みつき仕留めるのに適している[4][5]。食物を咀嚼する大臼歯が退化している代わりに、舌に鑢状の突起があり、食物を固定し引き裂いた後、舌で肉を削ぎ落とすことができる[4]。ヒョウ属では舌骨の基部を動かすことができ、これによって吠えることができる[4][5]。
ネコ科は食肉目のネコ型亜目に属す。従来ニムラブス科もネコ科に含まれていたが、現在は独立した科とされている[6]。最古のネコ科は鮮新世前期~中新世前期のプロアイルルスであるが、現生のネコ科や剣歯虎は中新世前期のスーダエルルス(Pseudaelurus)の子孫である[6]。「サーベルタイガー」(剣歯虎)は名前に虎とつくものの、トラなどとは系統的に離れたマカイロドゥス亜科に属す。
Piras et al. (2013) による絶滅分類群を含む分岐図[7]
ネコ科 |
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Felidae |
以下、Johnson et al. (2006)による現生種の分岐図[8]
ネコ科 |
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Felidae |
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Li et al. (2016) より、核DNAを解析した現生種の系統図より(学名は出典に従う)[9]。 |
2006年に発表された分子系統推定から、以下の系統(順番はこの解析での分岐順)に分かれるという解析結果が得られている[2]。2016年に発表された分子系統解析でもこれらの系統は支持されたが、分岐順は異なる(Panthera lineageに次いでBay cat lineageではなくCaracal lineageが分岐したとされ、Bay cat lineageはLynx lineageに次いで分岐した系統という解析結果が得られている)[9]。
以下の現生種の分類・英名は、IUCN SSC Cat Specialist Group (2017) に従う[2]。和名は付記のないかぎり、川田ら (2018, 2021) に従う[3][10]。
リンネの『自然の体系』でネコ属 (Felis) とされたものが7種(ライオン・トラ・ヒョウ・ジャガー・オセロット・イエネコ・オオヤマネコ)あり、これは現在の現生ネコ科の範囲におおよそ対応している。19世紀にジョン・エドワード・グレイやニコライ・セヴェルツォフらによって属が多数分割されたあと、1917年にレジナルド・インズ・ポコックがネコ亜科・ヒョウ亜科・チーター亜科の3亜科に分類したものが現在に続く現生ネコ科の下位分類の基本となっている[14]。亜科に関しては、分子系統解析などからチーター亜科の独立性が否定されているほか、化石種の分類体系との均衡から現生種を全てネコ亜科に含めヒョウ亜科を認めない場合もある[15]。属については20世紀中葉にジョージ・ゲイロード・シンプソンの影響で現生種が3属のみにまとめられたこともある[16]
オーストラリア大陸・南極大陸・マダガスカルを除く[4]全ての大陸とほとんどの島。
約4分の3以上の種が森林に生息する[4]。夜行性で森や茂みの中で生活する種が多い。主に単独で生活するが[4]、ライオンやチーターは血縁関係のある個体で群れを形成することもある[5]。
主に脊椎動物を食べるが、魚類、昆虫、果実を食べることもある[5]。肉のみを食料とする種も多く、ほとんどの地域で食物連鎖の頂点にいる。
毛皮目的の狩猟、家畜や人間を襲う害獣としての駆除などにより生息数が減少している種もいる[5]。
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