チョコチップクッキー

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チョコチップクッキー

チョコチップクッキーまたはチョコレートチップクッキー: chocolate chip cookie)は、チョコチップが特徴のクッキーである。1938年、ルース・グレイヴズ・ウェイクフィールド英語版ネスレチョコバーを刻んでクッキーのレシピに加えたことで生まれた。

概要 チョコチップクッキー, フルコース ...
チョコチップクッキー
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チョコチップクッキー
フルコース デザート菓子
発祥地 アメリカ
地域 マサチューセッツ州
考案者 ルース・グレイヴズ・ウェイクフィールド英語版
誕生時期 1938年
主な材料 小麦粉砂糖黒砂糖バターまたはマーガリンチョコチップバニラ重曹
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一般的には、小麦粉バター黒砂糖グラニュー糖チョコチップバニラを混ぜ合わせた生地を用いて作る。他の種類のチョコレートや、ナッツオートミールなどの材料を加えることがある。また、ヴィーガンチョコチップ、ヴィーガンマーガリン、卵の代用品など、必要な材料を代用したヴィーガン向けのものもある。

歴史

誕生

チョコチップクッキーは1938年にルース・グレイヴズ・ウェイクフィールド英語版とスー・ブライズというアメリカのシェフによって考案された[1]。これはウェイクフィールドがマサチューセッツ州のウィットマンで家庭料理を特徴とするレストランのトール・ハウス・インを経営していた時期である。ウェイクフィールドがネスレのチョコバーを刻んだものを溶かしてチョコレートクッキーを作ろうとしていたところ、チョコレートが溶けなかったことで偶然チョコチップクッキーが生まれたと言われている。本人によると、薄いバタースコッチ・ナッツ・クッキーをアイスクリームとともに出していたが、何か違うものを提供したいと考えてクッキーの中にネスレのチョコバーを刻んで加えたという[2][3]。ウェイクフィールドはネスレにこのクッキーのレシピを提供したことで、同社から一生分のチョコレートを支給された[4]

その後の歴史

1938年に出版されたウェイクフィールドの料理本『Toll House Tried and True Recipes』には「トールハウス・チョコレートクランチ・クッキー」というレシピが初めて掲載され、その後間もなくアメリカの家庭でよく食べられるクッキーとなった[2]

第二次世界大戦中に海外に駐留していたマサチューセッツ州の兵士は、祖国から送られてきたケアパッケージに入っていたチョコチップクッキーをアメリカの他の地域の兵士と分け合った。程なく、何百人もの兵士がこのクッキーを送ってほしいと家族に手紙を書き、ウェイクフィールドのもとには世界中からレシピを求める手紙が殺到するようになった。このようにして、チョコチップクッキーの全国的な流行が起こった[5][6]。このクッキーの需要が高まったことで、東海岸以外にも人気が広まっていった[7]。1956年にはイギリスにチョコチップクッキーのレシピが持ち込まれ、メリーランド・クッキー英語版はイギリスで最も売れているチョコチップクッキーの一つとなった[8]

多くの民間のパン屋では、パッケージされたものやすぐに焼けるものなど様々な形式でクッキーを提供している。ダブルツリー英語版などの複数の企業では、競合他社との差別化をするために焼きたてのクッキーを顧客に提供している[9]

1997年7月9日、マサチューセッツ州ではチョコチップクッキーの誕生を称えて、サマーセットの3年生のクラスで提案されたチョコチップクッキーを「オフィシャル・ステート・クッキー」に指定した[10]

組成とバリエーション

チョコチップクッキーは主にグラニュー糖黒砂糖小麦粉重曹などの膨張剤バターショートニングなどの油脂、バニラエッセンスチョコチップなどを用いて作られる。ミルクやクルミなどのナッツを生地の中に入れる場合もある。

材料の割合や混ぜ方、調理時間を変えることで、柔らかくて噛みごたえのあるものや、サクサクしていて歯触りの良いものなど、様々なクッキーができる[11]。チョコチップクッキーの食感は、その脂肪の組成と使用する脂肪の種類によって大きく変わる。カンザス州立大学で行われた研究によると、炭水化物を中心にした脂肪の代用品はより多くの水分と結合する傾向があるため、焼いている間にクッキーを広がらせる水分が少なくなって、結果としてあまり広がらなくなり、ケーキのような柔らかいクッキーになるという[12]

バリエーションの例

M&M パーティークッキー
チョコチップの代わりにM&M'sを使用したもの[13]
チョコレートチョコチップクッキー、ダブルチョコレートクッキー
ココアや溶かしたチョコレートを加えてチョコレート味にした生地を使用したもの[14]。チョコチップの代わりにホワイトチョコレートやピーナッツバターチップを使用する場合もある[15][16]
マカダミアチップクッキー
マカダミアナッツとホワイトチョコチップを使用したもの[17]
チョコチップピーナッツバタークッキー
バニラ味の生地をピーナッツバター味に変えたもの。
チョコチップバークッキー(コンゴバー、ブロンディ
チョコチップクッキーの生地をクッキーシートの代わりにオーブン皿で焼いたもの[18]

この他にもチョコチップの大きさや形の違いによって味や食感の違いが生まれる。

脚注

関連項目

外部リンク

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