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ゼブラフィッシュまたはゼブラ・ダニオ(学名: Danio rerio)は、インド原産の淡水に生息する体長5センチメートル(cm)ほどの小型の魚である。和名はシマヒメハヤ[1][2]。シマハヤモドキとも呼ばれた[3]。コイ目コイ科ラスボラ亜科(ダニオ亜科、ハエジャコ亜科とも)に属し、オイカワ、コイや金魚などに近い。成体の体表に紺色の縦じまをもつことから、シマウマにみたててこの名がある。飼育、繁殖が容易な魚で、流通価格も安く、観賞魚としてよく飼われている。体色やヒレなどに変異のある改良品種が存在する。生物学では脊椎動物のモデル生物としてよく用いられる。モデル生物としてはゼブラフィッシュ、観賞魚としてはゼブラ・ダニオの名が一般的である。
生活環は3か月、寿命は5年程度。性質は活発で、水中を素早く泳ぎ回る。更に温和なので他魚との混泳も同程度のサイズの魚となら問題ない。雑食で飼育が容易。多産で1組の雌雄が一度に数百の卵を産む。卵は直径1ミリメートル(mm)程度、透明で観察や実験操作が容易である。
また、遺伝子を組み換えられた本種が未承認で輸入、販売され、関わった業者が環境省の指導(カルタヘナ法違反)を受けた事もある[4]。
パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパール、ミャンマー、ブータンなどの、水深が浅く流れの遅い止水域に生息する。一組の雌雄が互いに生殖器を接触させることで排卵・産卵する[5]。
ダニオは縄張りをつくるため、水槽内では他の小型の観賞魚を追い回す習性のものが多い。
生後17時間で自発的なしっぽの動きがみられる[6]。その3-4時間後には、不規則なburstパターンの活動からside-sideの規則的な運動をするようになる[6]。生後21時間でRBニューロンを介した接触反射を示すようになる[6]。1-2日目には規則的な遊泳がみられ、また刺激場所に応答した適切な反射を示す[6]。4日目には大まかな神経系が完成し、摂食行動も示すようになる(まだ脳は成長し続ける)[6]。
ゼブラフィッシュは脊椎動物の神経系のモデル生物として活用されている[9]。1981年にはホモ二倍体の個体が得られている[10]。脊椎動物初の化学変異原ENUを用いた大規模変異スクリーニングがゼブラフィッシュを用いて行われた。遺伝子機能研究に欠かせない遺伝子導入、トランスジェニックフィッシュの作製を、Tol2トランスポゾンを用いて非常に容易に行うことができる。また、CRISPR/Cas9を用いた遺伝子変異導入技術も確立されている。
この魚は、以下のように遺伝学研究、発生生物学研究に用いる上での優れた特長を持っている[9]。
結果として、実験発生学的実験と遺伝学的解析を同時に行える点で、脊椎動物では他に例がない。脊椎動物であるヒトを含んで共通点が多い[11]。
ZFINに掲載されているアトラス・リソースのうち[12]、神経系に着目しているもの
そのほかにも
などがある。
データベース間をまたいで利用できるような研究も進められている[14]。
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