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セスナ サイテーション・ロンジチュードは航続距離が6,500kmのビジネスジェットで、セスナ社のサイテーションシリーズのモデルである。2012年5月のEBACE(ヨーロッパ・ビジネス航空博覧会)で発表され、2016年10月8日に初飛行し、2019年9月21日に型式証明を取得した。ハネウェルのHTF7700Lターボファンエンジンを備え、アルミニウム製の機体はラティチュードの胴体と断面形状は同じだが、長さは座席1列分ほど延ばされている。また、後退角28度の主翼とT型の尾翼を備えている。
この機の計画は、開発が中止されたサイテーション・コロンバスの後継とされる。ロンジチュードの胴体断面形状は直径が2.11mでラティチュードと同じである。尾部はT型で、胴体はエリアルールに従った断面形状をしている。主翼は角度の緩やかなウィングレットを備えており、胴体も主翼もアルミニウム製である。キャビンはコロンバスの設計よりも、18cm短く、15cm細い[5]。
当初はスネクマ(現サフラン)のシルバークレストエンジンを動力にする予定だったが[6]、量産モデルはハネウェルのHTF7700Lターボファンエンジンを用いている[7]。
主翼や尾部はホーカー 4000に似ているが、ロンジチュードはウィングレットを備えている分、全幅は161cm長くなっている。主翼は緩やかな超臨界形状で、内側の25%弦長点で26.8度、外側の25%弦長点で28.6度の後退角になっている。元になったラティチュードは乗客6席仕様だったが、ロンジチュードの胴体は8席を収容できるように強化され延長されている。キャビンは高さ1.83m、幅1.96m、長さ7.62m、床の幅は1.24mである[8]。
離陸重量は14,130kgで最大離陸重量が17,920kgのため、重量には3,790kgの余裕がある。この離陸重量で離陸すると、高度6000mまでの上昇速度は毎分777mである。高度13,000m、国際標準大気-4度の環境でマッハ0.83(876km/h)で巡航すると、毎時390~400kgの燃料を消費する[9]。
ロンジチュードは2012年5月のEBACE(ヨーロッパ・ビジネス航空博覧会)で発表された。当初はスネクマ(現サフラン)のシルバークレストエンジンを搭載し、2600万ドルの価格で2017年に市場投入される予定だった[10]。しかしシルバークレストは開発が遅れたため、エンジンはハネウェルのHTF7700Lに変更された[11]。
2016年10月8日、試験1号機が初飛行を行った[2]。2号機は同11月に初飛行を行い、これらの2機で2017年3月までに計125回、延べ250時間の飛行を行った。さらに3月には3号機も導入され、アビオニクスの開発やフライトシミュレータ用のデータ収集などが始まった。また、この時点で量産モデルの生産も始まっていた[3]。4号機は2017年5月に飛行試験に加わり、内装や環境制御システム、与圧などのキャビンに関する技術評価のために用いられた[12]。最初の量産機は2017年6月12日にロールアウトし、その時点までに4機の試験機が延べ550時間の飛行を行った[13]。
2018年5月までに3000時間を超える飛行試験が行われ、翌月には飛行試験や20万ページに及ぶ文書作成は完了すると見込まれていた[14]。しかし従来のプロセスと比べて地上試験も飛行試験もFAAに要求される項目が倍増し、経験したことの無い新たな試験や文書作成が必要となり、型式証明の取得プロセスは大きく遅れることになった[15]。特に問題になったのがトランス・ワールド航空800便墜落事故を受けてできた燃料タンクの規制で、燃料タンクの可燃性を試験プロセスで検証することが求められた。ロンジチュードの燃料タンクそのものはアルミニウム製の翼の中に収容されていたが、燃料系統の一部はフェアリングで覆っているだけだったため、可燃性に問題があるとされた。このままでは型式証明を取得できないため、親会社のテキストロンはFAAに例外扱いすることを2月に嘆願していたが、8月になってようやく2020年1月末までの一時的な適用猶予が認められた。しかし2018年10月1日までにコンプライアンス計画を提出することが義務づけられた[16]。
10月15日、ビジネスジェットのフラクショナル事業者であるネットジェッツは最大175機のロンジチュード(定価2600万ドル)と150機のヘミスフィア(定価3500万ドル)を購入することを発表した[17]。
2018年12月、累計1650回、4050時間に及ぶ飛行試験の後、ロンジチュードはFAAの事前型式証明を取得した。この時点では2019年初頭に初号機を引き渡すことが予定されていた[18]。しかし燃料タンクの可燃性に関する問題が完全には解決していなかったため、機体は完成品として引き渡しできるものの、標高の高い空港や短縮垂直間隔での運用は制限され、また、ロンジチュードの電気配線のメンテナンスをできるのはテキストロンに限定するという条件付きの事前型式証明だった[19]。
テキストロンは燃料タンクについて一時的な例外扱いではなく恒久的な適用除外を求めていたが、2019年6月にそれが認められた[20]。その結果、当初の予定から18ヶ月遅れて、2019年9月21日にようやくロンジチュードはFAAから正式な型式証明を取得した。そして既に初号機を顧客に引き渡したことを10月2日に発表した[4]。
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