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シナトネリコ(支那梣、学名:Fraxinus chinensis)は、モクセイ科トネリコ属の植物の一種。中国では白蝋樹(はくろうじゅ、パイラーシュー[注釈 1])と呼ぶ[2]。伝統的な中国医学では樹皮を秦皮(しんぴ)と呼び、痢疾に対する処方とする[2][3]。
シナトネリコ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Fraxinus chinensis Roxb. | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
シナトネリコ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Chinese ash[1] |
落葉喬木で、樹高は 10–12 mに達する[2][4]。樹皮は灰褐色で縦に裂ける[2][4]。奇数羽状複葉でその長さは15–25cm、葉柄は4–6cm[2][4]。葉軸は真っ直ぐ張り、上面には浅い溝がある[2][4]。小葉は通常5–7枚、倒卵長円形から披針形、葉縁は整正鋸歯である[2][4]。円錐花序は頂生および側生し、長さ8–10cm、下垂する[2][4]。4–5月にかけて開花し、7–9月にかけて披針形で扁平な翼果をつける[2][4]。雌雄異株で、雄花と雌花は別の個体に生じる[5][2][4]。雄花は密集し、萼は小さく釣り鐘状、長さは約1mm、花冠はなく、葯は花糸と同等の長さ[2][4]。雌花はまばらで萼は大きく桶状、長さは2–3mm、浅く4裂し、花蕊は細く長く、柱頭は2裂する[2][4]。
ベトナム、朝鮮半島および中国大陸の南北各省に分布し、海抜 800 m–1,600 mの地域に生育する[2][4]。湿潤を好み[6]、成長が早く[4]、山地の雑木林の中に多く生える[2][4]。中国での栽培の歴史は古く、分布も広い[4]。特に中国西南部各省での栽培が最も盛んである[4]。貴州省西南部の山間部の栽培種は枝葉が特に広く大きく、常に山地にあって半野生状態を呈する[4]。
シナトネリコの材は強靭で[4]、家具、農具、荷車、合板などの製造に適している[6]。樹皮は、中国伝統医学において秦皮(しんぴ、チンピー[注釈 2])と呼ばれ、内服では解熱、下痢、長血・おりものに、外用では目の充血・腫れ・痛み・かすみ目・角膜混濁に処方される[2][3]。主成分はエスクレチンおよびフラキセチン[2]。
中国では、白蝋虫(イボタロウムシ)を接種して養殖し、白蝋(イボタ蝋)を採集する[4]。白蝋樹の名はここに由来する。またシナトネリコは、痩せ地や旱魃に耐え、軽度の塩鹹地でも生育することができ[6]、成長も早い[4]ため、砂漠緑化における固砂樹種に適している[6]。
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