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ビットコインプロトコルの考案とそのリファレンス実装を行ったとされる人物 ウィキペディアから
サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)は、ビットコインプロトコルと、そのリファレンス実装であるビットコインコア[1] (Bitcoin Core/Bitcoin-Qt) を作ったことで知られる。名前が本名であるかどうかは確認されていない。
非公式に報道や解説記事などで「中本哲史」という漢字表記が紹介されることがある[2][3][4][5][6][7]。ビットコインプロジェクトウェブサイト掲載の日本語版論文の著者名の表記も「中本哲史」だった[8]。
2008年11月1日、metzdowd.com内の暗号理論に関するメーリングリスト[9]にナカモトは電子通貨ビットコインに関する論文を発表し始めた[10][11]。2009年にはビットコインのソフトウェアをネット上に発表し、ビットコインの最初のマイニングを行い[12]、2009年1月3日、運用が開始された[13][14]。
ナカモトは他の開発者とともにビットコインのソフトウェアのリリースに寄与し続け、それは彼のチームやコミュニティとの接触を次第に控えるようになる2010年半ばまで続いた。この頃、彼は次第にソフトウェアのソースコードリポジトリの管理などをギャヴィン・アンドレセンに任せるようになり、やがてプロジェクト管理までをも引き渡した[15]。また同じ時期、 Bitcoin.orgなどといったいくつかのドメインの管理をビットコインのコミュニティ内のメンバーに引き渡した。
ナカモトはプロジェクトから退いた後、10年以上オンラインで活動しておらず、現在も正体は不明である。彼のビットコインは10年以上手付かずのままで放置されている。ナカモトは100万~110万BTCをマイニングにより、保有したと考えられている[16]。
彼の名を記念して、1億分の1ビットコインにあたるビットコインの最小単位が「satoshi(またはSatoshi)」と名付けられている[17][18]。
サトシ・ナカモトの正体を巡っては、ナカモト名義で公表・投稿された過去の論文、メーリングリスト、e-mailなどのやりとりなどを根拠にして、さまざまな推測や憶測や分析がされている。
そもそもこの名前が登場したのは2008年11月1日、あるサーバのメーリングリストに、「Satoshi Nakamoto」という執筆名で、新しいデジタル通貨に関する論文がアップロードされた時である[12]。その論文がアップロードされた時点では、メーリングリスト参加者の誰も「Satoshi Nakamoto」などという名前を聞いたこともなかった[12]。Benjamin Wallaceは2011年時点で、「Satoshi Nakamoto」をGoogle検索しても情報が得られないため明らかに仮名(偽名)だと述べた[12]。
「Satoshi Nakamoto」のものとして表示されていたe-mailアドレスは、ドイツのフリーのメールサービスのものだった[12]。
彼のビットコインに関する最初のソフトウェアは共同作業によるものと推測されており、このため、サトシ・ナカモトとは特定の個人ではなく、あるグループが共有して使っている偽名だ、と推定している人もいる[19]。
ソースコード中のコメントやフォーラムへの投稿に時おり使用されるイギリス英語の綴りやイディオム(例えば"bloody hard"といった表現)の使い方がナカモト、もしくは少なくともナカモトであると主張するグループの一個人を推測させるヒントになるという見方もされ、その場合、イギリス英語を使う人だと推定している人もいる[10][20][19]。
スイスのプログラマーでコミュニティにおける活発なメンバーでもあるステファン・トーマスは、ナカモトがビットコインのフォーラムに投稿した時間帯をグラフ化した(その数は500件以上にものぼる)。その結果、グリニッジ標準時で午前5時から11時(日本時間で14時から20時)のあいだ、ほぼ投稿がないことが明らかとなった。土曜日や日曜日でもこのパターンは当てはまっており、つまりこの時間帯はナカモトの睡眠時間なのではないかと推測された[12]。もしナカモトが個人であり普通の睡眠習慣の持ち主であるなら、彼が住んでいるのはUTC−05:00もしくはUTC−06:00の地域と推測される。これは北米の東部標準時や中部標準時、中央アメリカの西インド諸島や南米が当てはまる。
ナカモトの正体については様々な説が浮上した。ここでは有名なものを挙げる。
オンラインのSatoshi Nakamoto自身が書き込んだプロフィール紹介では、「日本で暮らしていたことがある」と書かれていた[12]。また、一部の日本のメディアがナカモトを「謎の日本人」と紹介することがある[48][49][50]。
しかし、ナカモトの英語は流暢であり、イディオム(熟語)の繋ぎかたも英語のネイティブスピーカー(母語話者)のものであり、彼を日本人だと見なす説はかなり疑わしい[12]。
2013年5月にテッド・ネルソンが、ナカモトが日本の数学者望月新一であると主張した[51][31]。ジ・エイジ紙によれば、望月はこれを否定した[52]。
2024年2月、仮想通貨企業による非営利団体「仮想通貨オープン特許同盟」(COPA=Cryptocurrency Open Patent Alliance)が、ビットコインのホワイトペーパーの著作権が自分にあると主張するクレイグ・スティーブン・ライトに対し提起した訴訟の一環として、ビットコイン初期開発者であり貢献者でもあるマルティ・マルミによってナカモトの260通に及ぶEメールが公開された[53]。これにより、ナカモトのビットコインの設計思想がより詳細に明らかになった。
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