ガゼル

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ガゼル

ガゼル (Gazelle) は、ウシ科ブラックバック亜科ブラックバック族ブラックバック亜族の3ガゼル属 Gazellaトムソンガゼル属 Eudorcasダマガゼル属 Nanger の総称である[1]

これらは近縁で、かつてはガゼル属1属とすることもあったが、単系統性が不確実であり、現在では3属に分割される。

これら3属の他、1ないし数属をガゼルに含めることも(主に古い文献で)あるが、ここではこれら3属をガゼルとして扱う。

分布

アフリカ大陸ユーラシア大陸[2][3][4][5]

特徴

形態

最大種はダマガゼル体長140–165センチメートル[3][4]。尾長25-35センチメートル[3][4]。肩高90–120センチメートル[3][4]体重40-75キログラム[3][4]

尾はやや長い[3]。眼から鼻孔にかけて白色や汚白色で縁取られた暗色斑(顔側線)が入る[3][疑問点]

脳頭蓋(眼窩より後方の頭骨)が顔面頭蓋(眼窩後端より前の部分)の12と長い[3]。コウジョウセンガゼルを除いて雌雄共に前から見ると竪琴状、横から見るとアルファベットの「S」字状の角がある[2][3]。角の表面には節が発達する[2][3]。眼下部(眼下腺)と後肢基部内側(鼠蹊腺)に臭腺がある[3]

オスは角が太く長い[2]

生態

サバンナステップ、半砂漠、砂漠などに生息する[2]

食性は植物食で、、木の葉などを食べる[3]

分類

要約
視点

ガゼル属 Gazella + トムソンガゼル属 Eudorcas + ダマガゼル属 Nanger が、通常「ガゼル」と総称される[1]。このガゼルは、ブラックバック姉妹群とする単系統[6]、あるいは、ブラックバックをガゼル属の姉妹群として内包する側系統である[1]

さらに、チベットガゼル属 Procapra[7][8]、あるいはさらに、スプリングボック属 Antidorcasディバタグ属 Ammodorcasジェレヌク属 Litocranius を、ガゼルに含めることもあった[8]。しかしこれらのうち、スプリングボック属・ディバタグ属・ジェレヌク属はガゼル(およびブラックバック)に近縁で互いにも近縁だが、チベットガゼル属は系統的に離れている[9][1][6]

トムソンガゼル属とダマガゼル属をガゼル属に含める説もあったうえ、チベットガゼル属をガゼル属に含む説もあった[3]

ブラックバック族
ブラックバック亜族

ブラックバック属 Antilope

ガゼル属 Gazella

トムソンガゼル属 Eudorcas

ダマガゼル属 Nanger

スプリングボック属 Antidorcas

ディバタグ属 Ammodorcas

ジェレヌク属 Litocranius

サイガ属 Saiga

オリビ亜族

オリビ属 Ourebia

ボック亜族

ベイラ属 Dorcatragus

ディクディク属 Madoqua

ボック属 Raphicerus

チベットガゼル亜族

チベットガゼル属 Procapra

[9][1][6]

現生種

サンドガゼルは、コウジョウセンガゼルの亜種 G. subgutturosa marca とする説もあったが、別種と判明した[10]

ガゼル属のうちエドミガゼル、リムガゼル、コウジョウセンガゼル、サンドガゼルをコウジョウセンガゼル亜属 Trachelocele とする(そして残りをガゼル亜属とする)説があったが、このコウジョウセンガゼル亜属は、Gazella bennettii を内包する側系統である。

現世絶滅種

化石絶滅種

他多数。

含めることがあった種

人間との関係

  • 開発による生息地の破壊、食用や皮目的の乱獲により、生息数が減少している種もいる[4][5]
  • 英語圏の女性名「タバサ」はガゼルの謂である。

脚注

参考文献

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