エルグ

エネルギーの単位 ウィキペディアから

エルグ(erg)は、CGS単位系における仕事[要曖昧さ回避]エネルギー熱量の単位である。その名前は、ギリシャ語で「仕事」を意味する単語εργον(ergon)に由来する。

概要 エルグ erg, 記号 ...
エルグ
erg
記号 erg
CGS単位系
種類 組立単位
仕事エネルギー熱量
SI 10-7 J
組立 dyn·cm = g·cm2/s2
定義 1 dynの力がその力の方向に物体を1 cm動かすときの仕事
語源 ギリシャ語 εργον(ergon)(仕事)
テンプレートを表示
閉じる

1エルグは、1ダイン(dyn)の力がその力の方向に物体を1センチメートル(cm)動かすときの仕事と定義されている(g·cm2/s2)。この定義において、ダインをニュートン(N, 1N = 105dyn)に、センチメートルをメートル(m, 1m = 102cm)に置き換えると、SIにおける仕事・エネルギーの単位であるジュール(J)になる。よって、1 J = 107 erg, 1 erg = 10−7 J となる。

エルグは非SI単位であり、同じ物理量のジュールの使用が推奨されている。

歴史

1864年、ルドルフ・クラウジウスによって、ギリシャ語のἐργονergon、エルゴン)をエネルギー、仕事、熱量の単位とすることが提案された[1][2]。1873年、ジェームズ・クラーク・マクスウェルウィリアム・トムソンらからなるイギリス科学振興協会英語版が、センチメートルグラムを基本単位とするCGS単位系を提唱した。組立単位については「〇〇のCGS単位」(C.G.S. unit of ...)という名称を使用することを推奨し、エネルギーのCGS単位についてエルグ(erg)またはエルゴン(ergon)という固有の名称を使えることとした [3]

1922年、化学者ウィリアム・ドレイパー・ハーキンズ英語版は、表面化学における分子の表面エネルギーを測定するのに便利な単位[4]としてマイクリ英語版エルグ(micri-erg)を提案した[5][6]。この単位は10−14エルグ[4][7][8][9][10]、10−21ジュールに相当する。

国際単位系においては、MKS単位系における同じ物理量の単位であるジュールが採用され[11]、エルグは非SI単位となった。ヨーロッパでは、1978年1月1日に欧州経済共同体がSIを導入する指令を発行し、エルグは有効な単位ではなくなった[12]。日本においては、SIへの移行を目的として1993年11月1日に施行された新計量法において仕事・エネルギーの単位にはジュールを使用することが定められており、1995年10月1日以降は商取引などでのエルグの使用が禁止されている。

符号位置

さらに見る 記号, Unicode ...
記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
U+32CD-㋍
㋍
エルグ
閉じる

脚注

関連項目

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.