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アネキシンVまたはアネキシンA5(英: annexin V, annexin A5)は、アネキシングループのタンパク質である。アネキシンVはフローサイトメトリーでアポトーシス細胞を検出するために広く利用されている。アネキシンVはホスファチジルセリン結合能を持つため、アポトーシスのマーカーである細胞膜外側に存在するホスファチジルセリンの検出に利用される。このタンパク質の機能は未知であるが、アネキシンVはプロトロンビンのホスファチジルセリン結合部位と競合することで血液凝固を阻害する役割や、ホスホリパーゼA1活性を阻害する役割が提唱されている。こうした性質はin vitroでの実験で発見されたものである。
抗リン脂質抗体症候群(APS)とよばれる疾患の患者では、抗アネキシンV抗体がみられる。この疾患はリン脂質化合物に対する自己抗体と関係した血栓性疾患である。
アネキシンVは負に帯電したリン脂質分子の周囲にシールドを形成する。アネキシンVのシールドはリン脂質が血液凝固反応に加わるのを防いでいる。APSでは、抗体によってこのシールドの形成が妨げられる。シールドがない場合、細胞膜上に露出しているリン脂質分子が増加し、血液凝固反応が加速されてAPSに特徴的な血栓形成が引き起こされる。
アネキシンVは甲状腺乳頭癌でアップレギュレーションされている[5]。
アネキシンVは、細胞表面にホスファチジルセリン(PS)を発現している細胞を検出するための非定量的プローブとして利用される。こうした状況は、アポトーシスやその他の様式の細胞死でみられる[6][7][8]。血小板も活性化時には表面にホスファチジルセリンやホスファチジルエタノールアミン(PE)を露出しており、さまざまな血液凝固因子の結合部位として機能する。
アネキシンVアッセイでは、アネキシンVに蛍光色素や酵素ラベル、ビオチンやその他のタグ、放射性同位体を結合させたものを適切な緩衝液(アネキシンのリン脂質への結合はCa2+依存的である)中で使用する。このアッセイでは、アネキシンVによるPSやPEの染色と、ヨウ化プロピジウム(PI)または7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)による細胞核のDNAの染色とを組み合わせることで、アポトーシス細胞やネクローシス細胞を生存細胞から区別することができる[9]。検出はフローサイトメトリーや蛍光顕微鏡によって行われる。
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