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Yak-3(Yakovlev Yak-3 / Jak-3 ヤク3 / ロシア語:Як-3 ヤーク・トリー)は、ヤコヴレフ設計局が開発し、国土防空軍などで運用された戦闘機。
Yak-3 / Як-3
元々Yak-3と言う名称は、1941年に開発されていたI-26(Yak-1の原型機)の火力強化型であるI-30に使われていたが、こちらは採用されることはなく開発中止となっている。 アントーノフ設計局の創始者であるオレーク・コンスターンチノヴィチ・アントーノフによって、1943年からYak-1の改良計画が開始された。この新しい機体はYak-1Mと命名され、主に軽量化と空力洗練に焦点を当てた改修が施された。主翼はそれまでより小型のものが採用され、胴体下部にある主冷却器や機首下部にあった滑油冷却器の位置の変更も行われた。各部装備の軽量化や燃料搭載量を減らした事もあり、試験では高い性能を発揮した。Yak-1Mは量産されることが決定し、開発中止により使用されていなかったYak-3の名称を再利用し正式に採用された。量産化に際しVK-105PFからVK-105PF2への換装が行われており、これにより性能は更に向上した。
Yak-3は低高度での上昇や加速に優れ、また操縦も容易なことから新米パイロットでも扱える優秀な機体であった。実戦においては最も優れたソ連戦闘機とも言われたほどの働きを残した。生産は、ロシアとウクライナで行われた。
初期生産モデルの武装は12.7 mm UBS機銃1挺と20mm ShVAK機関砲1門であった。1944年8月からは火力強化としてUBS機銃が1挺増設された。後に武装の換装や大口径機関砲の搭載による火力強化が行われた機体がいくつか試作されたが、正式採用に至ったものは少ない。戦後の生産型では新型の20 mm機関砲であるB-20が搭載されている。これはそれまでのShVAK20 mm機関砲と同性能でありながら遥かに軽量であった。これにより戦後型では機首に多連装とすることが可能となり、大きな火力増強となった。
防弾装備としては、後方パイロット後部に64 mmの防弾ガラス、9 mm鋼板で作られた座席を備えており、翼内の燃料タンクは内装式の積層ゴムにより自動防漏タンクとなっていた。風防正面には防弾ガラスを備えていなかったが、その代わりに良好な視界が得られていた。
この頃には無線機は多くの機体に搭載されるようになっていたが、初期生産ロットでは送信機を備えた機体は2機に1機程度だった。これは後に改善されている。
型名 | 番号 | 機体写真 | 所在地 | 所有者 | 公開状況 | 状態 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Yak-3 | 2530 | フランス セーヌ=サン=ドニ県 | ル・ブルジェ航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | 現存する2機のうちの1機と説明されている。 | |
Yak-3 | YAF 2252 8545 |
セルビア ベオグラード | 航空博物館 | 公開 | 静態展示 | 世界で唯一保存されている機体と説明されている。 | |
Yak-3 | 115450123 | ロシア モスクワ州 | ヴァディム・ザドロズヌイ技術博物館 (Technical Museum of Vadim Zadorozhny) |
公開 | 静態展示 | 2013年まではミュージアム・オヴ・フライングにあった。 | |
Yak-3 | "12" | ロシア モスクワ州 | ヴァディム・ザドロズヌイ技術博物館 | 公開? | 静態展示? | 上記の115450123号機が博物館に移されるまで展示されていたが、現在は不明。現存する機体ではあると考えられている。 | |
Yak-3M Yak-3UA |
02-03 | 写真 | イギリス ケント州 | クリストファー・エドワード・ベルハウス氏 (Christopher Edward Bellhouse) |
非公開 | 保管中 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0172890 | フランス セーヌ=マリティーム県 | ケヌ・ステファーヌ氏 (Canu Stephane) |
非公開 | 飛行可能 | 旧塗装 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470101 | アメリカ テキサス州 | キャヴァナー飛行博物館 | 公開 | 飛行可能 | 第二次世界大戦中にアフリカでフランスの亡命軍パイロットとしてYak-3に乗っていたルイ・デルフィーノ乗機の塗装がされている。 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470102 | 写真 | アメリカ ネヴァダ州 | 国際航空サーヴィス社 (International Air Services Inc Trustee) |
非公開 | 飛行可能 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470103 | アメリカ ヴァージニア州 | 軍事航空博物館 | 公開 | 飛行可能 | 旧塗装 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470104 | 写真 | アメリカ カリフォルニア州 | 記念空軍南カリフォルニア支部 | 公開 | 飛行可能 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470105 | 写真 | ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 | メイア・モータース社 (Meier Motors) |
公開 | 飛行可能 | 胴体の中央部は1944年に製造された6500号機。この他にも光学照準器などのオリジナル部品が使用されている。 |
Yak-3M Yak-3UA |
0470106 | ニュージーランド マールバラ地方 | ファイター・フライツ社 | 公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
0470107 | イギリス ケンブリッジシャー州 | フライング・レジェンズ | 公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
0470108 | ロシア モスクワ市 | 大祖国戦争中央博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
0470109 | ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 | フライト・トゥ・ファン (Flight for Fun) |
非公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
0470110 | フランス アルプ=マリティーム県 | ウィクストーム・ミシェル氏 (Wikstrom Michel) |
非公開 | 飛行可能 | 現在は複座に改造されている。 | |
Yak-3M Yak-3UA |
0470202 | イギリス ウェストサセックス州 | ウィリアム・ハワード・グリーンウッド氏 (William Howard Greenwood) |
非公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
0470204 | 写真 | ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 | メイア・モータース社 | 公開 | 飛行可能 | |
Yak-3M Yak-3UA |
1701231 | ニュージーランド | ドーヴェイ航空コンサルティング社(Dovey Aviation Consulting Limited) | 公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UA |
Y-337 | フランス パリ | パリ航空公団 | 公開 | 飛行可能 | ||
Yak-3M Yak-3UR-2000 |
001-3/2005 | ニュージーランド マールバラ地方 | マーク・ケヴィン・オ=サリヴァン氏 (Mark Kevin O'Sullivan) |
非公開 | 飛行可能 | ||
レプリカ | ウクライナ キエフ | ウクライナ国立航空博物館 | 公開 | 静態展示 | 旧塗装 | ||
(Yak-3UTI-PW) Yak-11 |
フランス ランド県 | マーケイデル・ジョージズ氏 (Mercadal Georges) |
非公開 | 飛行可能 | |||
(Yak-3UR-2000) C-11 |
写真 | ポーランド ポトカルパチェ県 | マテウス・ストラマ氏 (Mateusz Strama) ピョートル・コワルスキ氏 (Piotr Kowalski) |
非公開 | 飛行可能 | ||
(Yak-3UA) C-11 |
アメリカ カリフォルニア州 | プレインズ・オヴ・フェイム航空博物館 | 公開 | 飛行可能 | |||
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