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YIGSRモチーフ(ワイアイジーエスアールモチーフ、英: YIGSR motif、YIGSR配列)は、アミノ酸5個から構成されるペンタペプチド・Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg(チロシン-イソロイシン-グリシン-セリン-アルギニン)をアミノ酸1文字表記した配列で、細胞接着分子・ラミニンの細胞接着活性配列である。ラミニンβ1鎖のアミノ酸番号929~933に存在する。歴史的には、フィブロネクチンのRGD配列の次の細胞接着配列として発見された。しかし、様々なタンパク質にRGD配列が存在するのと異なり、YIGSR配列はラミニンにしか見いだされていない。有機合成したYIGSR含有ペプチドがマウスの実験的がん転移を抑制した。
1979年、米国・NIHの国立歯科・頭蓋顔面研究所のジョージ・マーチン(G.R. Martin)らが、ドイツのマックス・プランク生化学研究所のティンプル(R.Timpl)と共同で、マウスのEHS肉腫から新しいタンパク質を精製し、基底膜の1つの層・ベーサルラミナ (basal lamina、基底板) の「lamina」にちなみ、ラミニン(laminin)と命名した[1]。
1980年、フィブロネクチンで研究されたのと全く同じ手法で、マーチンはラミニンに細胞接着活性を見出した[2]。
1987年、マーチン研究室のヒンダ・クラインマン(Kleinman HK)が、ラミニンβ1鎖のアミノ酸番号929~933に当たるペンタペプチド・YIGSR(Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg、つまり、チロシン-イソロイシン-グリシン-セリン-アルギニン)が、細胞接着分子・ラミニンの細胞接着活性配列であることを突き止めた。同時にYIGSRは67kDaラミニンレセプターに結合することも発見した[3]。
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