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漫画 ウィキペディアから
『SOIL』(ソイル)は、カネコアツシによる日本の漫画作品。
2010年に、『SOIL ソイル』のタイトルでテレビドラマ化された。
『月刊コミックビーム』(エンターブレイン)の2003年4月号 - 2010年12月号に連載された。単行本は全11巻。
新興住宅地「そいるニュータウン」で起きた鈴白一家失踪事件から、その町で起きる様々な奇妙な現象と、その謎を解いていくポップミステリー。特定の主人公という者はおらず、様々な視点から物語が進んでいく群像劇でもある。
花が多く植えられた平和な新興住宅地「そいるニュータウン」で一晩のうちに奇妙な事件がいくつも起こった。神奈川県警の刑事である小野田正子と横井らは捜査に乗り出した。
その夜に最初に気づかれた事件は、そいるの鉄塔が故意に壊されたことによる一帯の停電。そして、そいるに暮らす鈴白家の三人全員が失踪した。家に揉み合ったような形跡はなく、夜逃げの様子もない。食卓には一家の食べかけの食事が残され、日常の中で突如として消えたようだった。奇妙なことに、一人娘の水紀(みずき)の部屋には、大人の背丈を優に超えるほどの巨大な柱状の岩塩が残されていた。
水紀の通う中学校にも異変が起こった。校庭に、場を埋め尽くすかのような岩塩の山が築かれたのである。山の頂上には、水紀の飼っていたハムスターの心臓が置かれていた。
分析の結果、水紀の部屋と校庭に出現した岩塩は、地球のものではないとわかった。化学組成を見るに、隕石から少量取れることがあるものに似ていたが、山のように積めるほど大量に出現するのは通常有り得ない。
鈴白家失踪の晩、そいるの交番に務める一ノ瀬巡査も行方を絶った。そいるが開発される以前からこの土地に住み着いているホームレスの老婆さゆりは深夜徘徊して街中の花に水をやるのが日課だったが、鈴白家の花壇の花が消えていることに不安を覚え、一ノ瀬にそのことを報告した。鈴白家の様子を見に行った一ノ瀬は「鱗の生えた者」がいると同僚に無線で伝えた後で姿を消した。
また、その晩に水紀の同級生の少年・宮原健人もやはり失踪していた。明るく社交的な水紀と暗く内向的な健人は一見して正反対であったが、二人とも保健室のカウンセラー・小阪の世話になっており、その縁で親しかった。水紀は路上であろうと突如として眠り込んで倒れてしまうという奇病に悩まされていた。健人は、服で見えない部分への自傷癖があった。
小野田らは一連の事件を追ううちに、理想的な街に見えたそいるの人間関係の暗部、そして人智を超えた超常現象が絡むことに気づいていく。常ならざる「異物」が偶然にせよ意図的にせよ生まれることで、異世界ともいうべき未知の場所から別の異物を引き寄せてしまう法則があり、そいるに最初に発生した何らかの異物が事件を引き起こしたようだった。その異物とは何なのか……、鈴白一家ら失踪者の安否は……、鱗の生えた者の正体は……、全てが謎に包まれていた。
WOWOWのミッドナイト☆ドラマで、『SOIL ソイル』というタイトルで2010年3月6日から4月24日まで放送された。全8話。
原作連載中にドラマ化されたため、結末はドラマオリジナルのものになっている。
DVD発売を記念して、9月25日に新宿バルト9でDVDのオールナイト上映会「ALLNIGHTSOIL」が開催された。このドラマは映画用のカメラで撮影されており、HDの本来のクオリティーの映像をファンに見てもらうため、特別に映画館での全話一挙上映が行われた[1][2]。
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