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『RING of RED』(リング・オブ・レッド)は、コナミ(コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ)より2000年9月21日に発売されたPlayStation 2用シミュレーションゲーム、ウォー・シミュレーションゲーム。
第二次世界大戦を題材としながら、太平洋戦争においてポツダム宣言を受諾せずに本土決戦を継続した日本が北緯38度線を境に南北に分断されたという、実際の史実的資料で本来ありえたかもしれない経緯を基にした架空戦記的な世界観において、歩兵と「AFW(アーマード・ファイティング・ウォーカー)」と呼ばれる歩行式戦車(いわゆるロボット兵器)が入り乱れた日本人同士の内戦が繰り広げられる。
現実には存在しないロボット兵器は登場するものの、作品の雰囲気はシリアスなものとなっている。兵器名称、メニュー表記等は日本語が多く使われている。主人公のヴァイツェッカーをはじめ各パイロットは3つまでの必殺技を習得できる[1]。
基本的にはシミュレーションRPGとしてはオーソドックスなウェイトターン+スクウェアマップ方式。ユニットの編成単位は主体となるAFWと、それに随伴する歩兵3班を含む部隊が単位となっている。随伴歩兵は1班がAFWに搭乗して主砲の装填や特殊砲弾の使用を、残り2班が地上で対人・対装甲戦闘や特殊攻撃などを担当する。1回の攻撃は敵味方ともにリアルタイムで処理される。互いのロボットを前進または後退させて互いの直線距離を調節し、装填完了を待って射撃姿勢に入り主砲の発射、また地上兵に指示を出して各種行動をさせることができる。白兵距離にまで接近し格闘戦を行なうか、一定距離を後退し戦場離脱するか、どちらかが戦闘不能になる、または90秒が経過すると1回の戦闘行動は終了する。
オープニング・ムービーは第二次世界大戦当時の記録映像に3DCGを合成したものである。この中にはアドルフ・ヒトラーとヨシフ・スターリンの肉声付き映像もある。 ただしメインとなる登場人物は挿絵のみで動くことはなく、ムービーも存在しない。必殺技が発動すると、AFWの限界を越えた操縦をするパイロットの姿がクローズアップされる[1]。
西暦1945年、太平洋戦争は8月15日に終結しなかった。8月6日に広島、8月9日に長崎へ原爆が投下されても日本はポツダム宣言を拒否し戦い続けた。そこへソ連が参戦し、日本は本土決戦を決行。九十九里浜に原爆投下、九州・関東に米軍上陸。北海道・青森にソ連軍上陸。日本はドイツから導入した歩行戦車AFW(Armored Fighting Walker)で絶望的な抵抗戦を試みる。その結果、1946年12月に敗戦、1947年1月、日本は米ソ両軍により分割占領され南北に分断され、北海道はソ連領(ヴァストカヤスク)となる。その後、占領政策の行き違いから、ソ連と連合国側が対立。南北統一が叫ばれる中、1948年6月、ソ連の支配する北日本が日本共和国を名乗り、独立を宣言。1950年、北日本が南日本(日本国)の国境線を越えて開戦の理由すら定かでない「日本戦争」が勃発。二大大国の代理戦争は4年間に渡り日本の国土をさらに荒廃させた。それから10年後の1964年、南日本において南日本軍の新型兵器の実験中、北日本軍の兵士を名乗る者に新型兵器を奪われる。奪還するよう命令を受けた雅美・フォン・ヴァイツェッカー、皆川リョウコ、鬼無里謙一、ジョン・リスゴーの4人は部隊を率いて北日本に潜入する。
この時代、地獄の北日本に比べ裕福である南日本でさえ、とんかつを食べることが出来るのはAFW乗務員だけであった。そして潜入した部隊はソ連の統制下のため食料を得ることが出来ず餓死しないためゲリラ戦に身を投じるカルマと合流し、盛岡収容所の政治犯を解放しようとする。
分断国家の悲哀、父娘の対決、ソ連の頚木から脱しようとする北日本軍のクーデターと激動する流れの中でヴァイとリョウコは戦いの渦に巻き込まれていく。
第二次世界大戦において、戦場の様相は一変した。従来の塹壕を頼みとした防御的なものから、機動力を生かした攻撃的なものへと戦いのスタイルを一変させた。そのような状況の中、従来の戦車を超える機動力や地形踏破性を有する兵器として登場したのが歩行戦車AFW(Armored Fighting Walker)である。
最初にこのAFW開発を行ったのは第二次世界大戦期のドイツである。時の国家元首ヒトラー総統より下された多脚兵器開発指令の元、ポルシェ社とヘンシェル社が共同で開発した多脚兵器「PzKgllアーマイゼ」、ドイツ語で蟻を意味する名を付けられたこの新兵器は当初は実験兵器の1つとしてしか見なされていなかったが、独ソ戦開戦後にソビエト軍が投入したソビエト戦車の高性能にショックを受けたドイツ軍上層部の命により急ピッチで開発が進められ、1942年8月に最初の試作機が完成する。その後、量産された機体は翌1943年7月にチタデレ作戦の山場たるクルスク北翼の戦いに投入される。丘陵地帯において攻撃能力と戦車以上の機動性が発揮されると期待されたが、実際にはアーマイゼ88mm砲型、20mm機関砲型2機種とも初期不良に悩まされ、結局は撤退時に追撃してくるソビエト軍戦車隊に対して固定砲台として使い捨てにされた。その後、数々の問題点は解決されたものの、戦況の悪化により生産数も落ち込み、東西からドイツに向けて迫る連合国軍の前では活躍の場も無かった。
一方、アメリカでは核戦争下において有効な陸戦兵器の開発が、原爆開発計画「マンハッタン計画」の一部として行われ、その過程で「放射線から乗員を守る密閉型戦闘室を備え、なおかつ核爆発の影響で荒れた地面を走破可能な歩行兵器」という案が固まり、これがアメリカにおけるAFW開発の始まりとなった。その後、1944年6月のノルマンディー上陸作戦にてアメリカ軍はドイツ軍の多脚兵器を鹵獲、8月にはAFWの前身である市街地戦用対歩兵掃射兵器として開発された歩行兵器「Wm-1」が、ドイツ軍を相手に活躍する。その後、密閉型戦闘室が放射能の遮断に対して不完全なことが証明されるも、開発に関わっていたGMI社は「圧倒的火力を有する大型AFWによって戦場を制圧する」という新コンセプトを打ち出し、アメリカ軍の支持を得たばかりかアメリカにおけるAFW開発の方向性をも定めた。
ソビエトでは、スターリングラードより始まった本格的な反攻作戦の中で、ドイツ軍のAFWと幾度となく交戦する中、次第にAFWに着目してゆく。そして、1945年2月にドイツ国境のオーデル川まで進軍していたソビエト軍は、東プロシアの兵器工場を接収。その中には多脚兵器プラントもあり、これによってソビエトでのAFW開発が始まる。その後、ドイツ多脚兵器拡大コピーである「Ire-3」が完成し、同年9月の北海道上陸作戦に投入された。
日本におけるAFW開発は、1944年7月にドイツからUボートにて設計図とネーベルン社技術者が到着したことをきっかけに、これに光菱工機の技術者を加えてスタートする。この当時、戦局の悪化で物資は欠乏し、基本部品の質は低下していたが、軍部の全面的協力と技術者達の不眠不休の努力が実り、1945年4月にはドイツAFWの縮小コピーである「五式甲脚装甲車」の生産・配備が進められた。そして、この五式甲脚装甲車は同年9月に北海道へと上陸したソビエト軍のIre-3と史上初のAFW同士の戦闘を展開。ソビエト軍に多大な出血を強いるも結局は物量に勝るソビエト軍に制される。また、同年11月のアメリカ軍による九州上陸作戦(オリンピック作戦)でもアメリカ軍を相手に砲火を交えた。
平野の多いヨーロッパではあまり活躍の場が無かったAFWは、山地が多く国土面積の狭い日本では極めて適した兵器であり、この日本における連合国軍を相手にしての活躍ぶりがAFWに対する評価を好転させることになる。その後、1950年6月に勃発した「日本戦争」ではAFWは南北日本両軍が主力兵器として使用。その有効性が証明された結果AFWは陸戦の基幹兵器として認められた。
劇中で登場するAFWは、各パイロットが自分の機体に付けた愛称と、メーカーが定めた名前が存在する。また機体の主武装と副武装は、モデルとなった第2次世界大戦時の戦車や装甲車、自走砲と同様の組み合わせである。
本作に登場する一般の敵機は北日本製、もしくはソビエト製のAFWである。これらの機体には以下の条件がある。
機体名は基本型を示す名前の後に、A・S・B・Cいずれかのアルファベットが付く。A型は北日本軍の一般部隊に配備されており、一部は南日本国内で活動する左翼共産ゲリラへと提供されている。S型は敵に機体を鹵獲される恐れの少ない、南日本との軍事境界線から離れた後方の部隊に配備されている。B型は精鋭部隊である北日本義勇軍にのみ配備されている高性能機。C型は北日本とヴァストカヤスクに展開するソビエト軍に配備されている機体で、最高水準の性能を有する。これは西側陣営の南日本との有事に備え、かつ衛星国である北日本への軍事的圧力をかける意味合いが強い。
なお、これら一般機は第2次世界大戦時にソビエト軍に配備されていた戦車や装甲車、自走砲と同様の主武装と副武装を有している。
兵科は2種類あり、敵兵士との戦闘を行う対兵系と敵AFWとの戦闘を行う対甲系がある。対兵系は敵兵士が後衛にいる時は、敵AFWの攻撃を行うことができる。随伴兵はAFWに搭乗し、弾の装填やAFWの状態チェック、撤退を指示する搭乗兵と地上で前衛、後衛においてある意味、随伴兵としての役割の強い地上兵に分けられる。随伴兵の数は総勢140班。一回の戦闘において一つの部隊で使用できる随伴兵は3班だけである。
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