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Q (アルバム)

Mr.Childrenのアルバム (2000) ウィキペディアから

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Q』(キュー)は、日本バンドMr.Childrenによる9枚目のオリジナルアルバム。2000年9月27日にトイズファクトリーより発売された。

概要 Mr.Children の スタジオ・アルバム, リリース ...
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背景とリリース

通常盤のみで発売。前作『1/42』から約1年ぶり、オリジナルアルバムでは7thアルバム『DISCOVERY』から約1年8ヶ月ぶりとなるアルバム。

本作のセッションは桜井和寿のプライベートスタジオで以前から行われていたが、セッション終了後にニューヨークの「Oorong NY Studio」へ移動。このスタジオは当時のプロデューサーだった小林武史が所有していて、レコーディングの行われた時期は丁度スタジオが完成した直後だったらしく、ニューヨークでは以前のセッションで作り上げていた曲のイントロ・アウトロ・伴奏などの構成を小林と桜井によってミーティングし、新たに構成し直した物を再びバンドで演奏するという形で作業が行われた。

また、プライベートスタジオでProtoolsに録っておいたものの中で、ドラムやギターのフレーズなど使えるものはそのまま使用しているとのこと[1]

桜井は本作あたりから、作曲時にキーボードを活用するようになったという[2]

ジャケットは桜井が潜水服を着用しているもので、その背景は絵ではなくアメリカグレートソルトレイク州立公園で撮影されたもの[3]。また、「深海からの脱出」という意味も込められている。アートディレクターは信藤三雄

タイトルは本作が9枚目であることにちなみ、当初のレコーディング中に桜井が遊び心で譜面などに小文字で「q」と書いていたものをメンバーやスタッフが気に入ったことに由来する。そのため桜井は、「『Q』という言葉自体に深い意味はない」と述べている[4]。他のタイトル候補として、『Hallelujah』『Stomach Love』があった。

テンポをダーツの合計点によって決めたり、コード進行をくじ引きによって決めたりと、かなり自由なセッションによって制作が進められた[5]。そのため、作曲クレジットがMr.Childrenとなっている楽曲も収録されている。その一方、「つよがり」のようにバンドが目立たない楽曲(桜井曰く「ソロシンガーとして歌うような曲」)もある[2]

本作発売後にライブツアー『Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001』を開催。2001年2月4日に行われたさいたまスーパーアリーナ公演では、BIGLOBE提供でMr.Children初のインターネット生中継が行われた。

桜井は後のインタビューで制作当時を振り返り、「メンバーが音楽やってるときより酒飲んでるときの方が楽しそうな状態で進歩がなかった。解散まで考えた」と述べている[6]

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チャート成績

初週売上は63.2万枚を記録するも同日発売の『Duty』(浜崎あゆみ)に阻まれてオリコンチャート初登場2位となり、連続1位獲得記録は5作でストップした。累計売上は89.7万枚で、3rdアルバム『Versus』以来6作ぶりに100万枚を下回った(日本レコード協会からはミリオン認定を受けている)。初めて1位を獲得した4thアルバム『Atomic Heart』以降のオリジナルアルバムで、1位を獲得できなかったのは本作のみ。また、『Atomic Heart』以降に発売されたオリジナルアルバム(『1/42』『B-SIDE』を除く)の中で、オリコン年間アルバムランキングでトップ10にランクインしていないのは本作と『miss you』のみ。

収録内容

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楽曲解説

  1. CENTER OF UNIVERSE
    • ライブでの演奏回数が多い楽曲で、ダーツでテンポを決めて作曲された[5]
    • ドラムはコルグのシンセサイザーである「KORG Trinity」に内蔵されているドラムの音源を卓とコンプで歪ませ、Protoolsに流し込んだものとを混ぜているという[1]
    • ギターはプライベートスタジオでのセッションで録音されたものをそのまま使用している[1]
    • 次曲「その向こうへ行こう」と繋がっているが、アウトロは桜井曰く「2曲目と並べたときにコードが同じになったのがイヤだったので、コード感を忘れるために付け加えたもの」とのこと[1]
  2. その向こうへ行こう
    • 「もしMr.Childrenが漫画『バガボンド』のテーマ曲を作ったら?」というコンセプトで制作された。ギターには「Moogerfooger」というエフェクターが掛けられている[1]
    • 展開の多い楽曲。サビのベースフレーズは別の楽曲のベースのフレーズを移植したものであり、後半からはシーケンスのフレーズを入れてスピード感を出している。ちなみにループ部分のドラムは桜井が叩いている[1]
    • バックコーラスは基本的に「Beyond my wish」と歌っているが、ラスサビ部分は新たに「Beyond the expectation」「Beyond the time」「Beyond the sex」「Beyond the place」が付け加えられている。このコーラスは最上川の舟下りの歌を参考にしたもの[1]
    • 元々はプライベートスタジオで作り上げていたが、ニューヨークでのレコーディングを経て全く違うアレンジに変更された[1]
  3. NOT FOUND
    • 19thシングル表題曲。
  4. スロースターター
    • 仮タイトルは「ジュビ研・炎のテーマ」で、メンバーが所属するサッカーチーム「ジュビ研」のゴールシーンで流れる楽曲というコンセプトで制作された[5]
    • 1999年のセッション時に制作され、ニューヨークで改めてレコーディングし直された[1]
    • 桜井曰く、没になってもいい気持ちでレコーディングされた曲だとのこと[1]
  5. Surrender
  6. つよがり
    • 前作『DISCOVERY』のデッドストックで、バンドの勢いを優先した前作にはそぐわないと判断されたため収録が見送られていた[5]。そのため、ベスト・アルバムMr.Children 1996-2000』では先に発表された18thシングル『口笛』や19thシングル『NOT FOUND』よりも曲順が先になっている。
    • ニューヨークの現地のオーケストラを40人程呼んだとのこと[1]
    • ボーカルにノイズが入っているものの、アナログっぽさがアリということでそのまま収録された[1]
    • 小林曰く、ストリングスのエコーはエフェクトはかけておらず、スタジオの反響をそのまま用いているとのこと[1]
    • 2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは14位に選ばれた[7]
    • 36thシングル『ヒカリノアトリエ』にはMr.Childrenとサポートメンバーによるバンド・ヒカリノアトリエによるスタジオライブがカップリングされている。
  7. 十二月のセントラルパークブルース
    • タイトルの「セントラルパーク」をはじめ、歌詞に「ダコタ・ハウス」「六番街」等ニューヨークの地名が登場する。
    • セッション中に出来た2つの楽曲を1つにしたもの。歌詞は『深海』の頃、ニューヨークでレコーディングを行なった際の出来事が綴られている[1]
    • 桜井は当時のインタビューで、「12月のNYを思ってつくったんじゃなく『深海』のころの自分を思ってる曲で。ホントに、どっかから飛び降りようと思ったくらい悩んでたときが、12月で。その自分を、今、笑って歌えるみたいな。笑えるだけの強さが取り戻せたっていう」と語っている。
    • 次曲の「友とコーヒーと嘘と胃袋」へアウトロが繋がっており、この曲から「ロードムービー」までノンストップとなる。
  8. 友とコーヒーと嘘と胃袋
  9. ロードムービー
    • アルバム曲ながらファンの人気が高い楽曲。
    • セッションではなくニューヨークで制作されていったもの。桜井は2000年の元日に歌詞を書き上げ、この曲は自分が作った中で最も気に入っている歌詞だと語っている。
    • ニューヨークのスタジオで別楽曲のセッション中、進展が見られず中断しスタジオを後にしようとした際、急遽メンバーに提案され同日レコーディングされた[2]
    • 元々この楽曲にエレキギターは入るスペースが無いと桜井は思っていたものの、田原がまるでエレキギターを元に楽曲を構成したようなギターを入れたため非常に驚いたという。
    • 曲中のグロッケンは小林が担当している[1]
  10. Everything is made from a dream
    • Mr.Childrenが出演するBIGLOBE「Mr.Children Alternative」のCMソング
    • 仮タイトルは「やまびこマーチ」で、マーチをベースに楽曲が進行している。
    • 2000年の元旦に放送されていた遺伝子医学の特別番組を受けて歌詞が書かれた。
    • 楽曲の大半は桜井のプライベートスタジオで既に作られていたが、サビでのリズムの変更といった部分はニューヨークで行われた[1]
    • 間奏での語りはスタジオにいた人々に一通りセリフを読ませ、それを切り貼りし、タイムコンプレッションなどのエフェクトをかけたもの[1]
    • エンディングはエフェクトを用い音が萎む加工がなされているが、桜井曰く「夢のことを歌ったものだから、膨らんで終わるんじゃなくて、しぼんでまた最初に戻るのが面白いかなと」とのこと[1]
    • 歌詞にジョン・レノンブルース・リーが登場する。
  11. 口笛
    • 18thシングル表題曲。
  12. Hallelujah
    • 当初は『I'LL BE』のカップリング曲候補だったが、思いの外出来が良かったことで本作のリード曲となった。
    • イントロの桜井のギターはトレモロとディレイをかけたもので、ディレイの効果が逆に気持ち悪くていいということで採用された[1]
    • アルバムタイトル候補だった楽曲の1つ。
    • 1999年12月27日にスペースシャワーTVで放送された本アルバムのドキュメンタリー番組内で、未発表曲として先行披露されていた[5]。しかし、番組収録後に「サビでガンと盛り上がる感じが足りない」と気付いて年明けには別のアレンジでレコーディングし直したという[1]
    • 後にベスト・アルバム『Mr.Children 1996-2000』にも収録された。
  13. 安らげる場所
    • 2ndアルバム『Kind of Love』収録「いつの日にか二人で」と同様、小林のピアノとストリングスで構成されたスローバラードで桜井の個人的な楽曲という[5]
    • アルバム制作当初から完成していた[1]
    • 「つよがり」同様ボーカルにノイズが入っているが、アナログっぽさがアリということでそのまま収録された[1]
    • ライブツアー「Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001」では、本作で唯一演奏されなかった曲。
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参加ミュージシャン

その向こうへ行こう
  • Sandra Park Strings:Strings
NOT FOUND
  • Sandra Park Strings:Strings
つよがり
  • Sandra Park Strings:Strings
Hallelujah
  • Catherine Russell:Chorus
  • Ada Dyer:Chorus
安らげる場所
  • Sandra Park Strings:Strings

ライブ映像作品

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脚注

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外部リンク

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