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PowerPC 601シリーズはApple Computer、モトローラ、IBMの3社が共同で開発した32ビットのRISCマイクロプロセッサである。初めて製品化されたPowerPC系列のプロセッサであり、Apple Computerが発売した初期のPower Macintoshシリーズに採用された。
PowerPC 601には、高速版であるPowerPC 601vが存在する。
PowerPC 601シリーズはIBMのサーバ・ワークステーション向けプロセッサであるPOWERをベースとして設計された。PowerPC601の開発を早めるため、開発中であったPOWERアーキテクチャのシングルチップバージョンと、同じく開発中の88110の作業チームを統合し、IBMとモトローラ双方の専門知識を有効活用した[1]。601シリーズのコアは後継の603シリーズや604シリーズと異なり、POWERアーキテクチャとの互換性をもつ。また、外部インターフェイスはモトローラのRISC CPU88000をベースに設計され[2]、バス幅は64ビットとされた。
以下は主な仕様である。
高速版の601vでは動作電圧引き下げによる低消費電力化、最高120MHzまでに引き上げられた動作クロック、プロセスを0.6μmから0.5μmに変更するなどの改良が加えられた。
製品化された最初のPowerPCであり、このプロセッサがMacintoshに搭載される初めてのPowerPCとなったことから、従来Macに搭載されていたMC68000(68K)プロセッサとの互換性が重視された。また、市場に迅速に投入するために、既存のPOWERアーキテクチャとの互換性が高いコアが採用された。
投入された当初は、まだPowerPC用のソフトウェアは充実していなかった。しかし、Mac OSに使われたコード変換機構(Dynamic Recompilation Emulator)が高性能だったため、Power Macintosh上でもFPU命令を使用しない68Kプロセッサ向けのソフトウェアはMAC68LC040のハイエンドに近い(PowerPCの動作クロックによっては68LC040を上回る)速度で動いた。このため68Kソフトウェアを使うユーザーにも性能的なメリットがあり、PowerPCへの移行はスムーズに受け入れられた。
一方で、互換性重視の外部インターフェイスやPOWERアーキテクチャとの互換性は同時に、PowerPC本来の性能を発揮する妨げとなっていたのも事実である。後に開発された603シリーズと604シリーズでは、PowerPCアーキテクチャへの最適化が進められた。発熱量が多くノートパソコンへの搭載には適さなかった為、ノート型のPower Macintoshの登場はPowerPC 603の登場を待たねばならなかった。
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