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ウィキペディアから
『NetHack』(ネットハック)は、ダンジョン探索型RPG。ローグライクゲームのひとつである。系譜としては、元祖Rogue → Hack → NetHackという直系にあたる。
スクリーンショット。 | |
開発元 | The NetHack DevTeam |
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最新版 |
3.6.6
/ 2020年3月8日 |
リポジトリ | |
プラットフォーム | クロスプラットフォーム |
種別 | ローグライクゲーム |
ライセンス | NetHack General Public License |
公式サイト | www.nethack.org |
表示はキャラクタベースで、キャラクタ・アイテム・ダンジョンの構成物はUS-ASCIIによりあらわされ、キーボードでの操作が前提、といった点は他の普通のローグライクゲームと同じである。
基本的なシステムはrogue(ならびにHack)の拡張と言うべきものだが、rogueと比べると数多くのアイテムや怪物の改定・追加が見られる。その中にはダンジョンズ&ドラゴンズや指輪物語に登場するものが数多く含まれる。また属性(秩序、中立、混沌)の概念はダンジョンズ&ドラゴンズなどのアライメント(ローフル、ニュートラル、ケイオティック)から取り入れられている。
ゲーム目的はrogueと同様ダンジョンの最下層にある「イェンダーの魔除け」の奪回である。NetHackでは更に迷宮を脱出して天上界に昇りそれをプレイヤーの属性の神に捧げに行かなくてはならない。イェンダーの魔除けを天上界にある神殿に捧げると、ゲームクリアとなる。
様々な職業と種族、各階のマップが保存され階段で上下可能、固定のアナグラムを用いた未識別名、ペットを使役出来る、モンスターの死体を食べて有利な特性を身につけられる、商店でのアイテムの売買、ピンチの際に神に祈って危機を脱することができる点等がrogueと大きく異なるNetHack独自の特徴[1]である。特にマップが保存されることにより、戦闘ゲームから探索ゲームへと大きく変化している。蹴る・書く・こする・浸す・座る・跳ねる・拭う・捧げる・こじ開ける・騎乗する等取れる行動も多彩になった。
また、プレイヤーに語りかけるような特徴的な口調の(酷いものでは小馬鹿にする)システムメッセージや、各所に仕込まれた独特のジョークやパロディがある。普通にプレイしていてはめったに見ることがないメッセージやレアな体験をすることもプレイの醍醐味である。
NetHackはrogueの直系の子孫ではあるが、新しい設定やさまざまな小道具の取り入れにより、rogueの禁欲的な雰囲気を一変させた。NetHackの派生ゲーム(ヴァリアント)には、追加の職業を加えたものがいくつか存在する。もっとも有名な派生ゲームのひとつは、NetHack the Next Generation(通称TNG)であり、これには「Geek」という職業が存在する。他にもNetHack Plus、SLASH'EMなどいくつかのヴァリアントが存在する。
日本語版は有志によって翻訳・配布されている。また、JNetHackという独自の日本語版も存在する。かつてはJNetHack独自の拡張要素が存在したため、これをヴァリアントの一種とする場合もある。
プレイヤーはゲーム開始時に名前を登録し、さまざまな世界の神話・民話・フィクションを元とした職業や種族、性別及び属性を選択することができる。ただし、職業ごとに選択できる種族、性別、属性は制限されることがある。職業は起動時に頭文字をコマンドラインオプションとして付けて( -a で考古学者、など)選択できる。
以前のバージョンにおいては職業としてエルフ(Elf)が存在したが、種族の概念を取り入れたバージョンからエルフは種族として扱われることとなり、職業としては削除された。また、日本語版であるJNetHackのかつてのバージョンでは独自に戦士(Fighter)が存在した。このほか、NetHackをベースとするさまざまなヴァリアントでは独自の職業が追加されていることもある。
ゲームの舞台である「運命の大迷宮」は、途中いくつかの分岐を経て下層にある地獄「ゲヘナ」に至り、さらにその最下層にある「モーロックの聖域」にイェンダーの魔除けがある。迷宮の探索や分岐先への冒険を繰り返しキャラクターを鍛え、最下層を目指すこととなる。
ゲームの舞台であるダンジョン「運命の大迷宮」の(地下)1Fからスタートする。地下一階には地上へ出る階段があり、イェンダーの魔除けを奪回せずにこれを上がると迷宮から逃げたしたことになりゲームオーバーとなる(点数は付くが、クリアしたことにはならない)。
プレイヤーはペット(猫・犬または馬)をつれており、ペットも戦闘に参加する。またペットはアイテムが呪われているかどうか判別する能力を持つ。ペットを攻撃したり、ペットを長く放置したりすると、野生に戻ることがある。猫・犬・馬や一部のモンスターは、適切な餌を投げることや特定の巻物を利用することでペットとしててなずけることができる。
一定の深度までのダンジョンは単純な構成で特殊な部屋が生成されることは少ない。ランダムに店・祭壇・金庫などが含まれることがある。いくつかの階は、特殊な設定をもち、異なるマップをもつ。
ノームの鉱山への入り口は低階層に出現し、最初にして最大の分岐先である。8階ほどからなり、2つの固定マップを含んでいる。クリアに必須ではないが、特殊な機能のある品物を手に入れることができ、またクリアに必須なアイテムを入手できるポイントがある貴重な場所でもある。
「城」までの基本的なダンジョンの構造は、固定マップを除き上層階と同じである。いくつかの特殊な固定マップおよびイベントが存在する。
ゲヘナは名前のとおりデーモン・ドラゴン・吸血鬼などがひしめくダンジョンの最下層である。複雑で長い迷路になっており、いくつかの有名な悪魔が出現する固定マップを含む。
イェンダーの魔除けを持って迷宮を出ると、神の助力により、精霊界を越える試練に挑戦することになる。土・風・火・水の四つの精霊界(エレメンタル・プレーン)があり、それぞれを抜けて天上界(アストラル・プレーン)へ至る。精霊界には精霊や数多くの強力なモンスターが居るうえ、移動にさまざまな制約または特殊なアイテムが必要となる。
天上界には3つの属性の神がそれぞれ神殿を持っている。自分の神を含むどれかひとつの神の祭壇に魔よけを捧げると、ゲームクリアである。自分の属性の神に魔よけを捧げると、永遠の命を授かり「神」に昇格するが、他の属性でもゲームクリアはできる(ボーナス点は入らない)。
NetHackは非常に難易度が高いため、クリアはなかなか難しい。このため情報交換のためのユーザグループが各所に存在している。こうしたユーザコミュニティでは、NetHackの翻訳をしたり、FAQやスポイラー(攻略のための情報)を整備したりするだけでなく、NetHackを題材にした他愛のない話を楽しむのが普通である。メッセージが多様であること、とりわけいろいろな理由でキャラクターが死んだり困難に陥ることがあるため、そのようなメッセージ自体を披露して楽しむのである。USENETやその他グローバルに配送されるネットニュースグループなどの伝統的なものをはじめ、IRCや、最近できたSNS上のコミュニティなどが存在する。
NetHackでプレイヤーキャラクターが死ぬと、場合により「幽霊」となって残ることがある。幽霊は元のキャラクターのもっていた現金を含むアイテムを所持している。このような仕様は、複数人ユーザのいる計算機あるいはネットワーク上のサーバにNetHackをインストールし、数人で楽しむといった遊び方を誘発しやすい(個々のプレイヤーキャラクタの間の直接的なインタラクションは不可能)。
ゲーム目的は魔除けの奪回であるが、特にそれをせずとも迷宮を隅々まで探索し尽くしたり、自キャラクターを強化し続ける楽しみもある。そうした行為についての語り合いや自慢もゲームの一部といえる。
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