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MD エクスプローラー (MD Explorer) は、MDヘリコプターズが生産する多目的双発ヘリコプターである。1990年代初頭にマクドネル・ダグラス・ヘリコプターシステムズ(現MDヘリコプターズ)によって設計された。原型のMD 900と後継機のMD 902の2形式がある。
MD エクスプローラー
MD エクスプローラー軽量双発ヘリコプターは最初の新規設計のノーターシステム搭載機である[1]。マクドネル・ダグラス・ヘリコプターズはエクスプローラーをMDXとして1989年1月に発表した。最初の飛行は1992年12月18日に行われた。1994年12月にPW206Bを動力とする最初のMD900が認証を取得した。
最も先進的なヘリコプターのひとつで、MDエクスプローラーはボーイングの唯一のノーター反トルクシステムを装備することによって安全性、操縦性が向上し[1]、反トルク源のテールローター翼端から発生する渦流に起因する騒音が防げる。テールブーム基部に内蔵されたファンの送風をテールブーム末端部のスラスターから噴出させることと、テールブーム途中の溝から吹き出させる風によるコアンダ効果によりヨーコントロールを行う。
元々は前身のヒューズ・ヘリコプターズ社が開発して、後にヘリコプターの事業を引き継いだマクダネル社を1990年代に買収したボーイングは1999年初頭にマクダネルダグラスの民間ヘリコプター部門であるMDヘリコプターにノーター技術を供与した。
同様にエクスプローラーの特徴として、先進的なベアリングレス(可動関節部の無い)5枚ブレードの複合材製メインローターと、炭素繊維製のテール・胴体も挙げられる[1]。
初期のエクスプローラーは双発のプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製のPW206As(エクスプローラーは最初のプラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW200シリーズ搭載機になった)を搭載したが、後にフランスのチュルボメカのチュルボメカ アリウスが選択肢に加えられたが外された[1] 。尚、トランスミッションは日本の川崎重工業ガスタービン・機械カンパニー(明石工場)が開発・供給している[2]。
ノーターを採用していることもあり振動が少なく、日本では振動を嫌うドクターヘリやTV局の報道ヘリに多く採用されている。 振動が少ないこと以外にドクターヘリに採用される理由に、救助作業員や周囲の人間がテイルローターに接触する危険性の回避、及びテイルローターに起因した騒音が低減されるという理由もある。
軍用機としてはアメリカ沿岸警備隊がMH-90エンフォーサーの名称でテスト運用した。これは、不審船の発見と制圧のタイムラグの解消を図ったもので、M240機関銃や監視カメラを搭載した軽武装ヘリコプターであった。このほか、メキシコ海軍が少数を運用している。武装を可能にしたコンバット・エクスプローラーも開発されたが、今のところ採用者は現れていない。
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