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HLA-E

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HLA-E
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HLA-E(HLA class I histocompatibility antigen, alpha chain E)は、ヒトではHLA-E遺伝子にコードされるタンパク質である[5]。ヒトのHLA-Eは、多型が限られており、古典的MHCクラスI分子と比較して細胞表面での発現が低いという特徴を持つ非古典的MHCクラスI分子である。マウスの機能的ホモログはQa-1b(公式にはH2-T23)と呼ばれる。

概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
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構造

他のMHCクラスI分子と同様、HLA-Eは重鎖(α鎖)と軽鎖(β2-ミクログロブリン)からなるヘテロ二量体である。重鎖は約45 kDaで、膜に固定されている。HLA-E遺伝子は8つのエクソンから構成され、エクソン1がシグナルペプチド、エクソン2と3がペプチドを結合するα1、α2ドメイン、エクソン4がα3ドメイン、エクソン5が膜貫通領域、エクソン6と7が細胞質テールをコードする[6]

機能

HLA-Eは、NK細胞による認識において特別な役割を果たす[7]。HLA-EはMHCクラスI分子(HLA-AB英語版C英語版G)のシグナルペプチドに由来する、限られたセットのペプチドを結合する[8]。これらのペプチドはシグナルペプチドペプチダーゼ英語版によって小胞体膜から放出され、細胞質基質プロテアソームによってトリミングされる[9][10]抗原処理関連トランスポーター(TAP)によって小胞体内腔へ輸送され、これらのペプチドはHLA-E分子の溝に結合する[11]。その結果HLA-Eは正しく組み立てられ、細胞表面に発現する。NK細胞は、ヘテロ二量体型受容体CD94英語版-NKG2英語版A/B/Cを用いてHLA-Eとペプチドの複合体を認識する[7]。CD94/NKG2AもしくはCD94/NKG2BがHLA-Eに結合した場合には、NK細胞の細胞傷害活性に対する阻害効果が生じ、細胞溶解が防がれる。一方、CD94/NKG2C英語版がHLA-Eに結合した場合には、NK細胞の活性化が引き起こされる。この相互作用は抗ウイルス応答において一部のNK細胞集団の増殖を開始することが示されており[12]、CD94/NKG2Cを発現しているadaptive NK cellヒトサイトメガロウイルス由来のペプチド抗原を特異的に認識する[13]

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出典

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