『EYES LOVE YOU』(アイズ・ラヴ・ユー)は日本のアーティスト、hideのソロ1枚目のシングル。
概要 hide の シングル, 初出アルバム『HIDE YOUR FACE』 ...
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- 「50%&50%」と同時リリース。
- 「50%&50%」と対になっており、本作は緑色である。
- 対になっているのには秘密があり、目のイラストを繋げるように2枚のジャケットを置き、寄り目にして2つのジャケットを重ね合わせると、目の錯覚で瓶の中にいるhideが浮かび上がる仕掛けになっている。
- また、隠しトラックが収録されており、92トラック目に「EYES LOVE YOU (JUNK VERSION)」を収録。
- 「きちんと楽曲が出来上がってから、ソロデビュー宣言をする」という思いから、「ラフォーレ原宿でソロデビューを発表して、その後原宿の歩行者天国で『OBLAAT』を披露する」というソロデビューイベントが企画され、当日でも入念に準備されていたが、雨天のため中止となった[2]。
- 2007年12月12日にマキシシングル化され、再発売。
- EYES LOVE YOU
(作詞:森雪之丞 作曲:hide)
- この作品におけるhideは魔物の目を持ち、作品の世界観は「妄想でしか愛しあえない人間の絶望」[3]。
- hideが自宅で打ち込んできたリズムパターンをベーシックに制作が進められた[4]。
- 楽曲のアイディアが浮かんでも、打ち込んでいる時にアイディアが消えてしまうため、制作が進まないことに苛立ちを覚えたhideは本作を最後にhideが打ち込みに着手することはなくなった[4]。
- 間奏でスペインの著名な舞曲「エスパーニャ・カーニ」の曲調のリズムギターがアコースティック演奏される[注釈 1]。その間、リードギターは両手タッピングで演奏する。
- 森雪之丞に作詞を頼んだのは、hideは森が書いたBOWWOWや布袋寅泰の歌詞のファンであったため[5]。長きにわたりテレビで放送されていた森の代表作「CHA-LA HEAD-CHA-LA」(ドラゴンボールZ主題歌: 1989年4月26日〜1993年9月1日)が終局を迎える頃にhideのソロデビューシングルはリリースされた。
- 2006年にSONIC STORAGE feat. KOHSHI from FLOWが、森雪之丞のトリビュート・アルバム「Words of 雪之丞」でカバー。
- 2013年、hideソロ活動20周年を記念した「hide TRIBUTE SPIRITS」シリーズの中では、『TRIBUTE III』でA(エース)、『TRIBUTE IV』にて松永貴志、『TRIBUTE VII』では作詞を担当した森雪之丞とBUCK-TICKの今井寿がそれぞれカバー。『TRIBUTE VII』収録の「EYES LOVE YOU~Ver.2013」の歌詞は、「絶望の先にある光」へhideが導いてくれるであろうとの思いで森雪之丞が書き直し[3]、こちらのバージョンはソドムの街に等しく罪深いゴモラの街に言及した。
- イントロのビートルズ「Every Little Thing」のようなクラシカルメロディ[注釈 2]をサイケデリックに進化させたフレーズはレーベルメイトの少年ナイフが1993年11月3日にリリースした「Brown Mushrooms」にその果実が受け継がれている[注釈 3]。
- OBLAAT
(作詞・作曲:hide)
- hideは「ダムドが1期のオリジナルメンバーのままで今でも活動していたら、きっとこういう曲を作る」とイメージしながら制作した[6]。
- 『hide Tribute SPIRITS II -Visual Spirits-』(2013年)でGOTCHAROCKAがカバー。
- - 91. (トラックごとに数秒間の無音)
92. EYES LOVE YOU (JUNK VERSION)
このミュージックビデオは1993年5月に松竹大船撮影所で2日間の撮影が行われた[7]。流れるような廊下のシーンは[注釈 4]、hideが熱中していたシューティングゲーム『スターフォックス』から考案した[8]。12人のhideがそれぞれ個性的ヘアスタイルで登場する。
1994年にMTV Video Music Awards国際視聴者賞日本部門を受賞した。
2013年にCLUB CITTA'で行われた記念企画の特別編集フィルム『hide FILM ALIVE!!』で撮影の様子が公開された[9]。
注釈
とはいえhideと共同プロデューサーI.N.A.は、そろってビートルズは聞いたことがないと口をそろえる(「GOOD BYE」制作過程でそれが判明したのであるという)。
hideと少年ナイフは同じレーベル(MCA)に所属している。「Brown Mushrooms」の規格品番はMVDD-11。
hideは1番Aメロ廊下のシーンで自分の髪を掴んだり、少々の時間差の後に舌を出したりしているのであるが、この構図は禁断の残酷映画『ソドムの市』(1975年)の舌切り処刑シーンに見ることができ、またハードコアバンドSODOMがこの処刑シーンの構図を用いたイラストのアルバム『聖レクイエム』を1984年に発表している。
出典
宝島社刊「BANDやろうぜ」1994年3月号「HIDE YOUR FACE hide 華麗なるポップ派宣言! 本音か? 欺瞞か? その全貌を解明!!」pp.8-10より。