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EDA(英: electronic design automation)、DA(英: design automation)とは、電子機器、半導体など電子系の設計作業を自動化し支援するためのソフトウェア、ハードウェアおよび手法の総称。半導体の設計工程とその製造工程、さらにそれを部品として実装するプリント基板設計の自動化で使われる用語である。それぞれの製造工程、検査工程でのデータ処理技術を意味するともいえる。
従来から単体で存在した電子系のCADやCAEを包含した用語として使われるようになった。実際のシステムのことをEDAツールといい、開発・販売業者をEDAベンダーという。電子・半導体メーカーなどが内製する場合もある。
回路シミュレータSPICEがカリフォルニア大学バークレーで開発された。当時のプラットフォームとしてはメインフレームが主流であった。その後各所で派生版が生まれ、改良されながら使用されている。
半導体レイアウト設計用のCADシステムとして、アメリカのカルマー社(Calma)、アプリコン社(Aplilicon)などのシステムが登場した。いずれもミニコンをホストコンピュータとしたターンキーシステムであった。両社ともその後の買収などを経たのち消滅したが、カルマー社のフォトマスクのデータ形式であるGDSII(ストリーム)形式は現在に至るまで使用されている。日本ではセイコー電子工業や図研のシステムも登場している。
当時のCADは高価なものであったため設計者が直接使用せず専任オペレータがデータ入力、修正するといった使われ方をした。
論理回路設計用のCAEシステムとしてメンター・グラフィックス、デイジー、バリッドなどが登場する。プラットフォームには汎用のエンジニアリングワークステーション(EWS)を使用したもの(メンター)と専用のハード・OSを使用していたものがあった(後の2社)が、その後UNIXベースのEWSとOSが一般的になった。
これらのツールは論理回路入力をするエディターとその動作検証をシミュレータなどを一体としたものである。またこのあたりから設計者一人ひとりが占有して使うという形態が一般的になってくる。
レイアウトCADで作成データと論理設計ツールのデータを比較するツールも登場する(ECAD社、後にケイデンス社)。 回路図をもとにレイアウトデータの自動配置配線を行うツールも出てきた。当初はゲートアレイなどのセミカスタム半導体を対象にしたが、より汎用性の高いものへと進化していった。この種のツールにおいては多数の図形データを処理する必要があるが、計算幾何学の成果も取り入れ性能の向上が図られていった。
複数のベンダーが各種ツールを発表した結果、データの互換がとれない等の問題も生じている。当時2大ベンダーであったケイデンス社とメンター社がそれぞれフレームワークという枠組みに他社製品を取り込んで統合しようとの動きもあったが成功していない。またデータを交換する共通フォーマットとしてEDIFの研究が始まった。
カーバー・ミードとリン・コンウェイの著書『超LSIシステム入門』で、プログラミング言語のコンパイルによって回路を生成することが提唱された。これは論理合成として後に実用化される。
1980年代半ばに、回路図ではなくプログラム言語に似たハードウェア記述言語(HDL)の一つであるVerilogとそのシミュレータが登場、回路図に代わって言語記述で設計する手法が始まった。1980年代後半には、そのHDLから論理回路(ネットリスト)を自動生成するシステムが実用化された。この技術は論理合成と呼ばれ、シノプシスにより製品化された。
それぞれのツールの性能向上が続くなかで、半導体製造工程の微細化による様々な問題を解決するためのツールが各種登場する。シミュレーションを行わずにタイミングの問題を検証するツール(静的タイミング解析)、複数の回路の等価性を比較するツール(形式等価判定)、配線遅延や負荷を考慮しながらクロック配線網を生成するツール(クロックツリー合成)など各種のものが登場している。また実際ウェハーにパターンを露光する際、光の波長に近づき近接効果が無視できなくなってきたため、あらかじめ補正する光学近接効果補正技術(英: optical proximity correction、OPC)も使われるようになった。
1990年代後半よりHDLより抽象度の高い記述を可能とする言語の開発が始まった。C/C++を元にしたSystemC、SpecCや既存のVerilogの拡張であるSystemVerilogなどである。これらはシステム記述言語などと呼ばれる。
プラットフォームはサン・マイクロシステムズを中心とした各種ワークステーションのシェア向上が続いたが、PCの性能向上によりLinuxを使う動きがでてきた。Windows NTおよび後継のサポートもされるようになってきた。2000年以降、ハードウェアとしてPC/AT互換機を、OSとしてWindowsやLinuxを使う動きが加速している。
実際の設計フローにしたがって各製品の種別と守備範囲を示す。
なお、仕様から回路設計、シミュレーションを行いマスクを作成するまでの工程をフロントエンド、それ以降をバックエンドと呼ぶ場合もある。
2012年現在、EDAベンダーは図研・シノプシス・ケイデンス・メンターが4強と呼ばれ、4社の寡占状態にある。新しいツールをベンチャー企業が次々開発する状況は続いているが、大手4社のいずれかに買収されてしまう場合も多い。かっこ内の売上高は2011会計年度。
EDAツールの新製品の発表の場として年1回 Design Automation Conference(通称DAC、ダック)という会議、展示会がアメリカで開かれる。この名称は、前述のようにDAという言葉の名残である。
日本での同種の催しとして新製品の展示会 Electronic Design and Solution Fair が毎年開催されている。また、DACのアジア版となる国際会議 ASP-DAC も毎年開催される。
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