Chainer

ニューラルネットワーク・深層学習のフレームワーク ウィキペディアから

Chainer(チェイナー)は、ニューラルネットワークの計算および学習を行うためのオープンソースソフトウェアライブラリである。バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)に必要なデータ構造プログラムの実行時に動的に生成する特徴があり[4]、複雑なニューラルネットワークの構築を必要とするディープラーニング(深層学習)で用いられる[3][1]Python 2.x系および3.x系から利用でき[要出典]GPUによる演算をサポートしている[3][5]。株式会社Preferred Networks(PFN)からリリースされている[5][1]2019年12月5日、開発元のPFNはフレームワーク開発を終了してChainerはメンテナンスフェーズへ移行すること、自社はChainerからFacebookが主導するPyTorchに順次移行することを発表した[1]

概要 開発元, 初版 ...
Chainerチェイナー
開発元 Preferred Networks[1]
初版 2015年6月9日 (9年前) (2015-06-09)
最新版
7.8.1.post1[2] / 2022年6月29日 (2年前) (2022-06-29)
リポジトリ
プログラミング
言語
Python[3]
プラットフォーム Linux
種別 機械学習ライブラリ
ライセンス MIT Licence
公式サイト chainer.org
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Chainerは"define-by-run"というモデル設計手法を取り入れた深層学習フレームワークの先駆けで、後発のPyTorchなどにも大きな影響を与えた[1]Preferred Networks(PFN)が日本機械学習系のベンチャー企業であることから、日本語の関連資料が多いという特徴があった[5]

PaintsChainer

PaintsChainer(ペインツ・チェイナー[6])はChainerを用いてPFN社の米辻泰山[注釈 1]が作成した線画自動着色ソフト[7][8]。ユーザーは「たんぽぽ」「さつき」「かんな」の3種類のAIを選択できる[9][10]。数日で100万件のアクセスを記録し[10]、2018年には文化庁の第21回メディア芸術祭エンターテイメント部門で優秀賞を受賞した[10]。中国語版のサイトもある[7]。米辻はインターネット上で60万枚のカラー画像データを収集し、線画に変換[8]。この線画とカラー画像をデータとして深層学習でモデルを作成し、2017年1月27日に公開した[8]

モデル(擬人化AI)

たんぽぽ
初期モデル[9]。似た色でぼかす傾向があり[9]、淡く柔らかい諧調が特徴[10]
さつき
2017年5月に投入された[9]。グラデーションが特徴[10]。たんぽぽと同じモデルで、パラメータが異なる[9]
かんな
2017年10月に投入された[9]。陰影が特徴で[10]、線のない箇所にハイライトを入れることができ、の着色も可能[9]。他の2つとは異なるモデルを用いており、計算量も大きい[9]

運営体制

Preferred Networks
2019年11月までの運営会社で[11]、使用された深層学習フレームワーク「Chainer」は同社による[7]。「PaintsChainer」の登録商標はPFNが所有[6]
さくらインターネット
PaintChainerはウェブ上で使用するため、同社の「高火力コンピューティング」環境に支えられている[9][12]
Pixiv
「さつき」はPixivと共同でリリースされ[9]、同社の「pixiv Sketch」にPaintsChainerがAPIとして組み込まれている[12]。2019年11月15日から、ピクシブ株式会社がPaintsChinerの運営を引き継いだ[11]

用途

ChainerはPythonから利用でき[3]、以下のような用途に利用できる。

脚注

関連文献

関連項目

外部リンク

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